名門「聖路加国際病院」経営危機

日本屈指の名門病院

経営危機に陥っている。その背景には医療制度の構造的な問題がある

医療崩壊は防げるのか

問題は医療システムを一面的にしか見ていないことだ

医療システムは複雑系。

さまざまな物事が有機的に結びつく。

昨年2016年医療界に衝撃が走った

夏のボーナスの支払いが遅れ、1割程度カットされたと言うのだ

きっかけは2016年5月頃労基署の監査。サービス残業の常態化が

指摘され、未払いの残業代を支払ったところ、財務状態が悪化したらしい

高齢化が進むわが国で、医療費の伸びは急速だ。政府は、増大する医療費を

抑制するために、2年に1回の診療報酬改定で診療単価や薬価を引き下げ

ている。

国民医療費は患者数と一人あたりの治療費を掛け合わせたもの

高齢化に伴い、患者数が増えるので、診療単価が引き下がるという

理屈だ。

この理屈は、一見もっともだ。ただ、このやり方は永久には

続けられない。診療単価を下げ続ければ、やがて経営できない

医療機関が出てくるからだ。実は、最初に破錠するのは

首都圏の病院だ。

聖路加国際病院1