千葉市   【ちば人物記】ドゥーラ・田中智子さん

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【ちば人物記】千葉市唯一の産後ドゥーラ・田中智子さん(39) 悩めるママをサポート

母親に寄り添い育児や出産前後の生活をサポートする専門家として、広がりを見せている民間資格「産後ドゥーラ」。助産師らが平成24年に設立した一般社団法人「ドゥーラ協会」(東京都)の認定を受け、千葉市で唯一の産後ドゥーラとして活動しているのが田中智子さん(39)だ。自身も2児の母として出産・育児で苦労した経験も踏まえて、「一人で抱え込まずに、周囲と関わりながら楽しい育児をサポートしたい」と話す。

産後ドゥーラとして働き始めたのは平成29年4月。まだ1年余りだが、ママ友らの利用や、インターネット経由の問い合わせも多く、リピーターも増えている。依頼されるのは、料理や家事のサポート、赤ちゃんの沐浴(もくよく)など多岐にわたる。このほかに産後の環境変化などに悩む母親の悩みを聞くのも重要な仕事だ。「お母さんとの信頼関係が大事。何でも話せる雰囲気をつくるのが重要で、相手の話も聞くが、私のことも積極的に話します」と心がけている秘訣(ひけつ)を明かす。

短大卒業後、人と接する仕事がしたいと考え、大手銀行に入行。県内の支店で個人顧客の営業業務などを約17年務め、産後ドゥーラとなった。

産後ドゥーラを目指したのは自身も出産や育児で苦労したが、友人や知人で、「産後鬱」になったり、家族に頼らず育児を一人で抱え込んでしまい疲弊している母親を多く見てきたことが背景にある。「自分に何かできることはないか」と思いつつ、ふと見ていたテレビ番組で産後ドゥーラのことが紹介されており、「これだ」と思ったといい、早速協会に問い合わせ、28年7月から講座を受講。産後ドゥーラとしてやっていくと決め、銀行を退職した。

「当然家族には反対されたけど、私自身も子供中心に仕事がしたかった」と振り返る。

平日の日中が中心の産後ドゥーラの仕事だが、自身も小学6年生の長男(12)と幼稚園児の長女(6)の2児の母親だ。仕事が長引けば、幼稚園のお迎えが間に合わないこともあるが、「とにかく頑張りすぎない、うまく周囲に頼るのが大事」と明かす。間に合わなければ、仲の良いママ友にお迎えを頼むし、逆に頼まれれば自身が、ママ友の子供のお迎えを行う。こうすれば互いに働いている母親同士でも無理なく仕事と育児の両立ができるという。また、自身の用事があれば、親に子供を預かってもらうように頼むこともしばしばあるが、子供の学校行事は欠かさず足を運んでいる。

産後ドゥーラにはこれまでの経験が生きているという。短大時代に取得した栄養士の資格は、訪問先での調理に、銀行員としての営業経験は初対面の母親と打ち解けるといった具合だ。育児で疲れている母親を癒やせればとAEAJ認定アロマハンドセラピストの資格も取得した。

「育児も大事だけど母親になっても、自分の時間を持ってほしい。その役に立てれば」と話す。

活動の幅を広げようと、6月に千葉市の子育て支援制度の一つ、エンゼルヘルパー派遣事業に、初めて個人事業者として登録した。

「産後ドゥーラについて世の中にもっと知ってもらいたいし、もっといろんな面で世の中の母親たちをサポートしたい」と言葉に力を込める。自身の経験を最大限いかせる“天職”で、これからも悩める母親たちに寄り添っていく。(永田岳彦)

【プロフィル】たなか・ともこ

昭和53年、福岡県生まれ。大妻女子短大卒業後の平成11年に大手都市銀行に入行。県内の支店で約17年勤務、平成29年4月からドゥーラ協会認定産後ドゥーラに転じた。働きながら小学6年生の長男と幼稚園児の長女を育てている。

 

本日、千葉市花見川区犢橋町自宅より依頼を受け、お伺い、車椅子にて

千葉市中央区椿森国立医療センターに通院治療をされ戻りました。