千葉市 これだけ出ていたセブンの“県・市限定商品”

千葉市

エリア限定だけじゃない これだけ出ていたセブンの“県・市限定商品”

 

セブン‐イレブン・ジャパンは11月27日から、千葉県内限定の弁当とスイーツを販売する。2商品は千葉市・市原市・四街道市とセブン&アイグループ6社で締結した「包括広域連携協定」を記念するもので、販売期間は約3週間を予定している。

実は、セブンはこういった協定を全国の自治体と締結しており、「県内限定」「市内限定」の商品をいくつも販売している。どんな狙いがあるのだろうか。
千葉県内の素材を使用
千葉県内限定で販売するのは「千葉県限定! あさり御飯幕の内」(580円、税込、以下同)と「千葉県限定! 焼き芋プリン」(199円)。幕の内弁当には千葉県産の江戸菜、ノリの佃煮、紅あずまのスイートポテトなどを使用している。さらに、千葉県銚子市で創業したヒゲタ醤油(東京都中央区)の販売する「ヒゲタ本膳醤油」をご飯と鶏の照り焼きに使用している。プリンには千葉県産の紅あずまが使われている。

セブンは各自治体と協定を結んでいる。千葉県と締結した協定の場合、「今後の人口減少に伴い予測される経済規模の縮小や、少子化・高齢化などに伴うさまざまな地域的な課題へ対応する」ことを目指している。具体的には、地元の農産物などを使うことで地産地消を推進したり、障がい者や高齢者の支援活動を行ったりする。こういった活動の一環として、今回の千葉県限定商品を販売することになった。

セブンはおでんのダシを全国7エリアで変えたり、関東エリア限定の弁当を販売したりしている。これは、各地域にあった味付けにすることで、商品の競争力を高めようという取り組みだが、実は「県内限定」「市内限定」の商品をいくつも販売している。2018年に販売されたものをいくつか紹介しよう(販売をすでに終了している商品もある)。
長崎県限定のちゃんぽん
1つ目は、長崎県との「地域活性化包括連携協定」締結10周年を記念して、11月13日から販売された「魚介の旨味広がる まろやかちゃんぽん」(550円)、「手巻おにぎり牛焼肉(長崎和牛使用)」(150円)、「白いカステラサンド」(148円)だ。ちゃんぽんは「長崎中華街」をイメージしたもので、野菜が豊富に入っている。おにぎりは長崎県産の和牛を使うだけでなく、地元でなじみのある甘からいタレで味付けしている。カステラサンドは、砂糖のジャリジャリとした食感を加えることで、カステラのザラメを表現している。

東大阪市限定のカレー
2つ目は「ゆるキャラグランプリ2018 in 花園~ラグビーのまち東大阪~」開催を記念して、11月6日から販売された「1/2日分の野菜!東大阪あいがけカレー」(498円)と「東大阪スクラムサンド(たまご&カレー)」(120円)だ。セブンは大阪府東大阪市と「ラグビーのまち東大阪のPR、ワールドカップに向けての協力支援」などで連携しており、それを記念した商品だ。

カレーはラグビーボールをイメージし、チームに分かれてボールを奪い合う様子を表現している。また、スクラムサンドはパン生地にカレーとたまごサラダをサンドしたカレーパンだ。
明治維新150年記念商品
3つ目は鹿児島県・山口県・高知県・佐賀県で結成した「平成の薩長土肥連合」の取り組みに賛同し、10月6日から4県内のセブンで販売した各県限定の「明治維新150年」記念商品だ。

鹿児島県では「鹿児島県産鶏づくし」(350円)と「知覧紅茶&りんご秋薫るごほうびパフェ」(297円)を販売した。鶏づくしは鹿児島県産鶏を使用した味つきおにぎりで、地元でおなじみの塩から揚げをおかずにした。パフェには地元名物の「知覧紅茶」を使用している。

山口県では「長州どりの炭火やきとり重」(650円)と「ふわっとろティラミスういろう」(118円)を販売した。やきとり重には県内で知名度の高い「長州どり」を使用している。また、ういろうは山口銘菓として有名だ。

高知県では「もち麦もっちり!生姜と鶏そぼろ(高知県産生姜使用)」(130円)と「土佐文旦のレアチーズタルト」(172円)を販売した。生姜と鶏そぼろおにぎりには、生産量日本一の高知県産生姜を使用。レアチーズタルトには高知県を代表する果物である「土佐文旦」が練りこんである。

佐賀県では、「さがうまれ牛乳のホイップサンドメロン」(148円)と「もちとろ苺みるく(さがほのかソース使用)」(124円)を販売した。ホイップサンドメロンは、佐賀県で親しまれている「さがうまれ牛乳」をホイップクリームに使用したものだ。また、もちとろ苺みるくは佐賀の名産「さがほのか」(イチゴ)をソースに使ったスイーツだ。

水戸市とその周辺限定の商品
4つ目は水戸市と「包括連携協力に関する協定」を締結した記念として、6月15日から、水戸市と水戸市周辺の店舗で販売された「茨城県産オトメメロンのメロンパン」(158円)、「茨城県産ブルーベリーもこ」(140円)、「もっちもち食感のしょうゆおこわおむすび」(120円)だ。

メロンパンのジャムには上品ですっきりとした甘さが特長の茨城県産オトメメロンを使用し、格子模様は手作業で描いている。ブルーベリーもこは、香りがよく甘酸っぱい風味が特長の茨城県産ブルーベリーをホイップクリームと組み合わせたスイーツ。しょうゆおこわおむすびは地元でなじみのある「こいくち醤油」を使用している。
熊本県限定の商品
5つ目は熊本県と締結している地域活性化包括連携協定に基づき、同県が推進する「くまもとの赤」プロジェクトを記念して販売した「熊本づくし (熊本県産赤鶏と牛肉使用)」(350円)、「グリルチキンの辛口トマトソースパスタ」(460円)、「熊本県産トマトと生ハムのパスタサラダ」(298円)、「阿蘇小国ジャージー牛乳のまっしろみるくぷりん」(250円)、「コッペパン(ジャージー牛乳入りホイップ)」(118円)だ。

熊本づくしはおにぎりとから揚げがセットになった商品。おにぎりには熊本県産牛肉のしぐれ煮を混ぜ込んでいる。から揚げには熊本県のブランド鶏「赤鶏」を使用している。トマトソースパスタのソースと、パスタサラダには熊本産のトマトが入っている。みるくぷりんとコッペパンには、地元で親しまれているジャージー牛乳を使用している。
青森県限定の商品
6つ目は青森県内5市における移動販売「セブンあんしんお届け便」の開始を記念して販売した「青森限定!卵でとじた陸奥湾産帆立おむすび」(140円)と「カシスレアチーズもちぷにゃ(青森県産カシスのソース使用)」(128円)だ。

おにぎりは青森県の津軽地方と下北地方の郷土料理「帆立貝焼き味噌」を参考に仕上げた。もちぷにゃは、国内生産量1位を誇る青森県産のカシスを使用したスイーツだ。

札幌市近郊限定の商品
最後はさっぽろ雪まつりを札幌市や札幌観光協会と共に盛り上げることを目的に2月1日から札幌市近郊(札幌市、小樽市、千歳市、苫小牧市など)で販売した「チーズとバターを添えたホワイトシチューライス」(498円)、「ど~んと!ハンバーグドリア」(550円)、「ホワイトチョコのドームパン(クリーム入り)」(128円)、「ホワイトチョコまん」(110円)、「ホワイトチョコエクレア」(150円)だ。

これらの商品に共通しているのは、北海道ならではの「白」をイメージしたり、牛乳やチーズなど生産量の多い原料を使用したりしていることだ。
なぜこれほど市・県限定商品を販売するのか
ここまで紹介した商品はここ1年以内にセブンが販売した市・県限定商品の一例だ。なぜ、これほど市・県限定商品を販売するのだろうか。

セブンの広報担当者は「各自治体との協定を意識した商品ではあるが、地元のオーナー様が盛り上がる効果もある」と説明する。地元限定の商品を出すことで、他のコンビニチェーンとの差別化を図るだけでなく、地元を盛り上げて売り上げをアップしたいという意識の醸成にもつなげる狙いがあるようだ。

今やコンビニ店舗は「インフラ」としてすっかり定着したため、災害対応や地域の弱者対策で行政と連携する必要性が高まってきている。連携を象徴するだけでなく、地産地消を推進するために市・県限定の新商品を次々と開発しているのである。