市川市  千葉県内ボランティア あと千人

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伸び悩む若い世代の応募 千葉県内ボランティア あと千人、大学で呼び掛け

2020年東京五輪・パラリンピックの際に県内で交通・観光案内を担う「都市ボランティア」の応募締め切りまで、10日で残り1カ月となったが、応募は2044人(8日時点)で、3千人の定員に約千人足りない状況となっている。特に10~20代が応募者の8%程度と少ないことから、若い世代に参加を促そうと、千葉県は県内の大学での募集活動に力を入れ始めた。

県内の都市ボランティアは県と関係市町が共同で9月12日から募集を開始。若者の応募が伸び悩む現状を踏まえ、県は大学に出向き、学生に特化した説明会を相次いで開催している。

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学生に多様な経験を積ませたい学校側も、県との連携に積極的だ。

神田外語大(千葉市美浜区)では6~8日、校内で五輪・パラのボランティアを募る説明会を開催した。大学の担当者が、競技会場や選手村などで運営に直接携わる「大会ボランティア」(大会組織委員会が募集)と、会場や駅・空港周辺の案内役「都市ボランティア」の両方の活動内容を紹介し、応募方法も解説。同大では外国語教育やボランティア活動に力を入れており、柳沼孝一郎副学長は集まった学生に「日ごろ学んでいることを試す絶好のチャンス」と応募を促した。

説明会には県の担当者も加わり、個人だけでなく友人や家族などのグループでも参加できる点や、活動日数が少ない点など都市ボランティアの特色を挙げて「大会ボランティアより気軽に参加できる」とアピール。活動日程を調整すれば大会・都市ボランティア両方に参加できることも紹介した。

3日間で約千人の学生が出席。1年の岩崎なな子さん(19)は「大会・都市ボランティアのどちらかしか参加できないと思っていた。関心が強まった」と応募に意欲を見せた。
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県は千葉商科大(市川市)、麗澤大(柏市)などとも連携して先月、校内で説明会を開催。募集開始から約2カ月が経過し、応募件数全体の伸びは鈍化しているが、大学での説明会の手応えから、県民生活・文化課は「応募を迷っている大学生が潜在的にいる。駆け込み応募も多いのでは」と期待する。

県は他の大学でも説明会を企画中。募集エリア別の充足状況で、7競技会場の幕張メッセ周辺の千葉エリア(67%)、サーフィン会場の一宮エリア(86%)、玄関口となる成田空港エリア(68%)などと比べて少ない成田市内エリア(36%)での応募も伸ばそうと、成田市と協力して市内の高校でも周知に取り組む方針だ。

大会時のおもてなしの充実だけでなく、「年長者と連携してボランティアに取り組む経験が、若い世代にとってレガシー(遺産)になるはず」(同課)。残る1カ月で定員を満たすべく、ラストスパートをかける。