市川市  市川在住の洋画家、大島暁さん個展

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スペインの風土と人に魅せられて…市川在住の洋画家、大島暁さん個展

 

市川市在住の洋画家、大島暁(さとる)さん(72)の作品を集めた油彩展「スペインそして故郷」が3日、市川市芳澤ガーデンギャラリー(同市真間)で開幕した。白壁の村などスペインを旅して描いた絵画70点を展示している。

大島さんは青年期、ピカソらの故郷、スペインの風土にひかれ、一人で旅立った。バスに乗り地方の村を訪れ、日陰を見つけてスケッチブックを広げた。「同じところで2日も3日も絵を描いていると、自然に村人と親しくなる。スペイン人は、言葉が通じなくても心で会話する術(すべ)を心得ている。夕方、村の酒場で飲むビールがおいしい。訪れる度にまた、訪ねたくなる。再会したい人が増えていく」と笑顔で語る。

これまでに30回ほどスペインを訪れた。今年もアラゴン地方を旅してバラ色の壁の村を描いた。

会場には雲ひとつない真っ青な空の下、白壁の家屋が連なる小さな村や、夕日に赤く染まる風車の丘などスペイン独特の情景のほか、市川市などで描いた月夜の桜や漆黒の闇に浮かぶ真っ赤な曼珠沙華(まんじゅしゃげ)など印象的な作品が展示されている。

岡山県出身の大島さんは、瀬戸内海沿岸で育ち、小学生のとき、クレパスで絵を描き始めた。その後、静岡県の高校に進学。美術部に入り、描くことに夢中になったという。市川市には約40年前に移住。アトリエは、フクロウやタヌキが生息する緑豊かな高台に構えた。

大島さんは「生まれ故郷だけでなく、旅したところも大切な故郷となる。ギャラリーの庭園には柿の実が色づいている。会場を訪れ、澄み切った絵を見てほしい」と来場を呼びかけている。

14日まで。午前10時~午後4時半(9日は休館)。入場無料。7日午後2時からは大島さんによるギャラリートークが行われる。問い合わせは、市川市芳澤ガーデンギャラリー(電)047・374・7687。