市川市  <京都市>「宿泊税」スタート 全国初の全宿泊施設対象

市川市    <京都市>「宿泊税」スタート 全国初の全宿泊施設対象

 

観光都市・京都市で1日、宿泊税の徴収がスタートした。東京都、大阪府に続く3例目。全国で初めて民泊を含む市内の全宿泊施設を対象とし、税額も200~1000円と東京都(100~200円)や大阪府(100~300円)より高い設定だ。高負担の「京都モデル」が定着するか注目される。

京都市の宿泊税は、宿泊料が1泊2万円未満は税額200円▽2万円以上5万円未満は500円▽5万円以上は1000円。修学旅行生やその引率者は課税の対象外となる。

市は観光客に周知するため、全国の主要13駅に多言語のポスターを掲示し、今年7月には市内約3000の宿泊施設にチラシなどを配布。一方、4月から18回開いた宿泊事業者向け説明会の参加率は約4割にとどまっている。

「外国人旅行者に周知されているのか疑問。苦情が心配なので値上げせず税金を払う」。京都市上京区で民泊1室を営む40代女性は当面、自腹を切る決断をした。宿泊料は2人で1泊約1万円で宿泊税は計400円。年間180日の営業日数制限がある中、最大7万2000円の税負担は軽くない。

宿泊客の声は複雑だ。1日午後のチェックインから1泊200円の徴収を始めた京都市中京区の「ハートンホテル京都」。福岡市から来た松岡敬子さん(70)は「ちょっと高い。東京や大阪並みの100円でいいのでは」と指摘。千葉県市川市から訪れた女性会社員(24)は「募金レベルの額なので無理のない範囲」と理解を示した上で「バスの路線が複雑なので税収を活用し、案内図を分かりやすくして」と注文を付けた。

市は年間45億6000万円の税収を見込み、隠れた名所のPRなど混雑対策▽違法民泊の指導強化▽観光地周辺のトイレの洋式化▽京町家の継承や無電柱化--などに充てるとしている。

宿泊税を巡っては、金沢市も来年4月から民泊も含めて1泊2万円未満で200円、2万円以上は500円を課税。大阪府は課税対象を現在の1泊1万円以上から7000円以上に変更する案を検討するなど「高負担の『京都型』が全国モデルになりつつある」との見方がある。京都では税導入の背景に違法民泊の騒音やごみなど市民とのトラブルが相次いだ経緯もあり、門川大作市長は「市民も宿泊者も導入して良かったという制度にしたい」としている。