松戸市  官民で通学路の安全対策

松戸市    「ながら見守り」推進を 官民で通学路の安全対策

 

昨年3月に松戸市で小学3年の女児=当時(9)=が車で連れ去られ殺害されるなど、通学路で児童が犯罪に巻き込まれる事件が発生していることから、官民が連携して登下校中の子どもの見守りを強化する安全対策会議が26日、千葉県警本部で初めて開かれた。県警は参加した約20団体を「子供見守りサポーター」に委嘱し、配達や点検などの日常業務を行いながら子どもに目を配る「ながら見守り」の推進を呼び掛けた。

県警と地域防犯に関する覚書を交わした団体や企業、県などの関係部署が参加。県警担当者から自主防犯組織の増加とともに2002年をピークに刑法犯認知件数が減少していることや、13歳未満で犯罪被害に遭った子どもは9歳が最も多く、朝夕の登下校時間帯に事件が発生していることの説明を受け、県内の現状を把握した。

県警は、松戸市の事件や5月に新潟市で発生した下校途中の女児=当時(7)=が殺害された事件を受け閣議決定した「登下校防犯プラン」を紹介。自主防犯組織の増加が頭打ちになり、活動している7割が60歳以上であることに触れ、見守りサポーターの活動が同プランの柱の一つ「多様な担い手による見守り活動の活性化」につながると期待した。

参加団体を代表して見守りサポーターの委嘱状を受け取った県警備業協会の横倉健会長は「会員に指導を徹底して期待に応えられる活動をしたい」と抱負を述べた。

子どもを守る取り組みは、危険を感じたら駆け込める「子ども110番の家」の設定や、各校で学区内の危険箇所を把握する安全マップ作成などがあり、通学路に防犯カメラを設置する動きも進んでいる。松戸市の事件は登校時に起きており、教育関係者は「二度とないよう子どもを守っていきたい」と力を込めた。

◆通学路の違反全国で8千件

警察庁は26日、都道府県警が全国の通学路約2800路線で25日朝に一斉取り締まりを実施し、道交法違反容疑などで8081件を摘発したと発表した。秋の全国交通安全運動の一環。本県の摘発は395件だった。

摘発の内訳は、通行禁止違反が4642件で最も多く、シートベルト装着義務違反が865件と続いた。他は最高速度違反が815件、携帯電話使用等の違反が491件など。飲酒運転の摘発はなかった。