松戸市  <築地閉場>横丁、最後の「ごちそうさま」

松戸市   <築地閉場>横丁、最後の「ごちそうさま」吉野家1時間待ち

 

すし屋や天ぷら屋などの飲食店が並ぶ築地市場内の「魚がし横丁」には、未明から多くの人が詰めかけ、あちこちに長蛇の列ができた。東京都渋谷区の会社員、宮島彰子さん(33)は友人3人を誘って、コーヒーを飲みに来た。訪れるのは高校の修学旅行以来で「昭和レトロの雰囲気が面白く、なくなるのは寂しい。記念の一杯になります」とほほ笑んだ。

 

香港から来たブレンドル・チュングさん(24)と、韓国から訪れたコン・ジヨンさん(24)の女性2人組はグルメ旅行で前日深夜に日本に着いたばかり。「『ツキジ』の閉場は海外でも知られている。思い切り堪能したい」とトンカツを楽しんだ。

吉野家の「1号店」の待ち時間は1時間以上に。初めて訪れて並盛りを食べた東京都北区の中学3年の佐藤嶺孝さん(15)と植田葵さん(15)は「とてもおいしかった。独特の雰囲気が、いつもと違う味の秘密かも」と声を弾ませた。

すし屋の中には正午前に「ネタ切れ」になり、のれんを下ろす店もあった。千葉県松戸市の会社員、金山直樹さん(28)は「いつも通りのおいしさで良かった。大将も客も『さびしいね』と言い合い、築地との別れを惜しみました」と語った。

埼玉県熊谷市の無職、岡田恒治さん(82)は妻の洋子さん(79)と正門前で記念撮影した。「サラリーマン時代はいつも昼食に通っていました。きょうは妻に見せたくて。あの頃と変わらないなあ」と目を細めた。

調理器具などを扱う物販店も最後の一日に活気づいた。豊洲への引っ越し作業のために既にシャッターを閉じている店もある中で、土産物店店員の平山寛さん(47)は「『築地』のロゴ入りTシャツは既に売り切れ。多くの人に好かれ、うれしい。最後まで頑張ります」と笑顔をみせた。