習志野市
ジーンズメイトの新業態「jM」 店内広々、着回し術も提案
《連載》Hot Zone
ジーンズメイトは1月下旬、新業態「jM(ジェイエム)」の1号店を千葉県習志野市にオープンした。男性ブランドの印象が強い同ブランドだが、新業態は女性を前面に押し出す。店頭のマネキンを使い、一週間の着回し術も提案している。従来より商品点数や陳列器具を減らして広めの通路を確保。地域に住む家族連れが気軽に来店できるよう工夫も凝らす。
■新規顧客を開拓へ新店舗
JR津田沼駅近くの商業施設「モリシア津田沼」。ファッション関連の店が軒を連ねる一角に「jM」の店舗はある。以前は主力業態「ジーンズメイト」などが入居していた。それだけに、ポップな緑色の「jM」のロゴを初めて見た人は「変わってしまったのか」と驚きを示す。
新店舗を出したのは新しい顧客を開拓するためだ。ここ数年、会社を挙げて女性客の強化を進めてきたが、「実際は手探り状態でやり切れていなかった」(草刈聡スーパーバイザー)。40~50代の男性客が多い状況を打破し、女性客を取り込もうと考えたのが「jM」の立ち上げだった。
■かばんや雑貨、アクセサリーも充実
店内はターコイズブルーと白色を基調とした落ち着いた印象。シャツやアウターを含め陳列する商品点数は7千~8千点と、従来のジーンズメイトの半分ほどに減らした。ラックなど陳列棚を少なくしたことで圧迫感を低減。ファミリーが多く住む地域だけにベビーカーで訪れた家族も通りやすいよう工夫した。
商品では女性向けの割合を高めた。通常は全体に占める女性向け商品の比率は2割程度だが、「jM」では5割に増やした。トレンドに敏感な10~20代前半の女性も楽しめる商品構成を意識し、かばんや雑貨、腕時計、アクセサリーなども数多く取りそろえた。
■7体のマネキンで1週間の着回し
さらに、店頭に7体のマネキンを置き、プライベートブランド(PB)商品をもとに1週間の着回しを提案する。例えば「春のジャケットを羽織りつつ、スキニーパンツやカットソーを組み合わせてもらう」(松井めぐみ店長)。それぞれ3着を紹介し、消費者の好みに合った着方を楽しんでもらう。
新店舗が開業して約3カ月。会社の狙い通り、10~20代女性など若年層の来店が増え、1~3月の女性客数は前年同期比70%増。女性物の売上高も同50%増えた。当初距離を置いていたとされる男性の常連客も足元で戻ってきており、松井店長は「手応えを感じている」と喜ぶ。
飯田靖治スーパーバイザーは今後の課題について、「PB商品を増やし、着回しアイテムをより充実させること」と説明する。顧客の声に耳を傾け、ニーズに合わせたおしゃれな洋服を拡充する方針だ。