習志野市

稀勢の里、出稽古で貫禄見せる　阿武咲に１０勝３敗　復活へまた一歩前進

大相撲秋場所（９日初日、両国国技館）

左大胸筋負傷などで８場所連続休場中の横綱稀勢の里（３２）＝田子ノ浦＝が２日、千葉県習志野市の阿武松部屋に出稽古し、阿武咲（２２）＝阿武松＝相手に１３番取り、１０勝３敗と貫禄を見せた。

１０歳下、若武者の勢いを全力で受け止めた。立ち合いの踏み込み鋭く連勝スタートしたが、相手も対応。３番目、下から攻め上げられ、あっさり寄り切られた。その後も力と力の攻防を演じ、ともに一歩も引かない。

稀勢の里も押し出されると「あー」と絶叫し悔しがった。８番終えて５勝３敗と相手の力を十分に体感した。最後はスタミナで圧倒し５連勝で締めた。

ぶつかり稽古にも胸を出し「よーし、さあ行こう」、「まだまだあ」と絶叫し、阿武咲をかわいがった。

阿武松部屋への出稽古は昨年６月以来。充実の出稽古に「なかなか稽古場で力を出して激しくやってくれる人はいない。力を出してくれる人を相手にやるのは大事。しっかりとできた。良かったです」と、うなずいた。

進退を懸ける秋場所へまた一歩、状態は前進した。８月３１日には横綱審議委員会（横審）の稽古総見で横綱鶴竜（井筒）、大関豪栄道（境川）ら相手に気迫を全開に相撲を取り４勝４敗とまずまずの手応えを得た。３、４日は二所ノ関一門の連合稽古へ向けても心身ともに高まってきた様子。復活ロードの視界は良好だ。