ウクライナ大統領、ロシアとの「全面戦争」の脅威警告

ウクライナ大統領、ロシアとの「全面戦争」の脅威警告

 

ウクライナとロシアの緊張が高まる中、ウクライナのペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)大統領は27日、両国間での「全面戦争」の脅威を警告し、ロシアが国境地帯で軍事的プレゼンスを急速に高めていると述べた。

大統領は国営テレビのインタビューで、「これがお遊びだとは誰にも思ってもらいたくない。ウクライナはロシアとの全面戦争の脅威にさらされている」と述べた。

ポロシェンコ氏は情報当局からの報告として、両国国境地帯に展開したロシア軍部隊の数が「劇的に増加」し、戦車の台数も3倍に増えたと説明。ただ、こうした増強が具体的にどの程度の期間で行われたかは明かしていない。

ロシア軍は25日、ウクライナから併合したクリミア(Crimea)半島の沖合でウクライナ艦船3隻を拿捕(だほ)し、乗組員24人を拘束。これを受けて新たな外交危機が発生した。

同半島の主要都市シンフェロポリ(Simferopol)の裁判所は27日、拘束された乗組員のうち12人に対する2か月間の公判前勾留を命令。また入院中の乗組員3人も正式に2か月間の勾留に処された。残る乗組員は28日に出廷する。

ロシアは拿捕について、ウクライナ側が不法にロシア海域に入った上、国境警備隊からの警告を無視したと非難を続けている。今回の動きにより、両国間の緊張が一段と高まるものとみられる。

ウクライナは乗組員らの解放を要求するとともに、協力関係にある西側諸国に対ロ制裁の強化を要請した。