中国は年内に初の国産空母を就役させる見通しだ。
空母は習近平国家主席が掲げる「強軍」の象徴的存在。今年は建国70周年の節目に当たり、国民に大きな実績として戦力強化をアピールできる上、貿易摩擦で対立する米国に対し、軍事面で強い態度を示すことにもなる。ただ、現時点で中国の空母の運用能力は米軍に大きく水をあけられているのが実態だ。
国産空母は旧ソ連製の船体を改修して2012年に就役した中国初の空母「遼寧」を基に設計。17年4月に進水し、18年5月に初の試験航海を行った。
今月1日付の共産党機関紙・人民日報は、国産空母計画の進展状況について「想定した目標を達成している」と報道。同紙系の環球時報などによると、国産空母は年末年始にかけ黄海北部で4回目の試験航海を行い、艦載機の発着が初めて行われたもようだ。就役は、海軍創設70年に当たる4月23日や建国70年の10月1日に合わせた時期になりそうだ。
ただ、数々の実戦で空母を運用してきた米軍と比べ、経験が浅い中国軍は「熟練パイロットの不足」(外交筋)が指摘されてきた。特に、夜間に艦載機の発着が可能なパイロットは限られているという。