市川市   行徳神輿パリ巡行 解体・組み立て実演も 

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行徳神輿パリ巡行 解体・組み立て実演も 日仏交流、訪日観光集客へ

市川市行徳地区で作られている行徳神輿(みこし)が18~22日、フランスに上陸し、パリ市民らが神輿を実際に担いだりして交流した。江戸時代に同地区で創業した老舗神輿店・中台製作所の中台洋社長(47)は、現地で神輿の解体や組み立てを実演。「神輿を担ぐ楽しさや細かい加工技術が隠されていることを伝えられた」と手応えを感じている。
フランス出張は、日仏友好160周年を記念した大規模な日本文化紹介事業「ジャポニスム2018 響きあう魂」の一環。村越祐民市長や中台社長ら市関係者12人のほか、市国際交流協会の会員を中心に約30人の市民団も同行した。
18日にはパリ日本文化会館で、装飾のない小さな神輿を使い、解体と組み立てを実演。くぎを使わずに組み上がる様子に約100人のパリ市民らは感心した様子だった。参加者によるかんながけ体験も行われたが、職人のように簡単には削れず苦戦していた。
20、22日にはパリのアクリマタシオン庭園で、神輿巡行を披露。事前に船便で送っていた本物の行徳神輿を、中台社長ら市関係者に加え、現地の来場者も飛び入りで法被に着替えて担いだ。参加者は神輿の重さに驚きつつも、声を出し合い楽しそうに日本の祭りを体感していた。
また、パリ市に隣接し、市川市と連携協定を結ぶイッシー・レ・ムリノー市も独自に訪問。神輿の解体・組み立てのほか、市民団が折り紙や茶道体験などで交流を深めた。
中台社長(右)が見守る中、かんながけに挑戦する参加者=パリ日本文化会館(市川市提供)
今回の出張は、行徳を世界に発信し、訪日外国人客の集客などにつなげようと企画された。中台社長は「話だけでは伝わらないので、実際に担いで祭りの雰囲気をそのまま楽しんでもらった。実演では職人が1年もかけて作り上げる神輿の価値を伝えたかった。参加者の反応は良かった」と手応えを感じた様子。
今後は「訪日観光客が伸びているので、行徳にもちょっと立ち寄ってもらえるように受け入れる側の準備を整えたい」と、出張でのPRを実際の観光集客につなげたい考えだ。
市国際交流課担当者は「現地で配布したパンフレットが早々になくなるなど、市のPRになったと思う。今後もイッシー市との関係を通して何かできないか検討していきたい」と振り返った。