(朝鮮日報日本語版) 南北首脳会談:金正恩委員長、平壌空港で文大統領を出迎えか
平壌での南北首脳会談を2日後に控えた16日、訪朝した韓国政府の先遣隊は、北朝鮮側と首脳会談の日程や両首脳の細かいスケジュールなどについて最終調整に入った。韓国大統領府は「公式随行員の宿泊先は百花園招待所、特別随行員や記者団の宿泊先は高麗ホテルになることが決まった」と明らかにした。
最大の注目が集まるのは金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が文在寅(ムン・ジェイン)大統領をどこでどう迎えるかだ。文大統領は18日午前中に専用機で西海(黄海)の直行路経由で平壌国際飛行場(順安空港)に到着する予定だが、韓国政府関係者の間では「金正恩氏が空港に出向いて文大統領を迎えるのでは」との見方も出ている。2000年6月13日に訪朝した金大中(キム・デジュン)元大統領も空港で当時の金正日(キム・ジョンイル)総書記の突然の出迎えを受け、その後金総書記と共に乗用車で宿泊先まで移動した。07年10月2日に陸路で訪朝した盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領は平壌市内の4・25文化会館で金総書記の出迎えを受けた。
文大統領が金正恩氏との首脳会談をいつ、何回行うかにも注目が集まる。金大中元大統領は訪朝した初日に1回、2日目には2回の計3回会談を行った。盧元大統領は訪朝2日目のみ2回会談した。今回の首脳会談では行き詰まり状態の米朝非核化交渉の突破口を見いだすという大きな課題もあるだけに、初日から会談が行われる可能性も考えられる。会談の会場は過去にも首脳会談が行われた百花園招待所が有力視されているが、一方で金正恩氏の執務室がある朝鮮労働党中央委員会庁舎も有力視されているようだ。
韓国政府とその周辺では「両首脳によるサプライズもあるのでは」との見方も出ている。北朝鮮の事情に詳しい消息筋は「登山好きとして知られる文大統領のために、白頭山あるいは蓋馬高原訪問などのスケジュールが入るかも知れない」と伝えた。あるいは北朝鮮側は金日成(キム・イルソン)主席と金総書記の遺体が安置されている錦繍山太陽宮殿への訪問、さらに体制宣伝用のマスゲーム観覧といった日程を入れたいと考えている可能性もある。金大中元大統領訪朝の際も北朝鮮は太陽宮殿での参拝を執拗に求めたが、直前になって撤回された経緯がある。盧元大統領は2007年の訪朝の際、5・1競技場でマスゲーム「アリラン」を観覧した。北朝鮮では今月はじめからアリランを発展させた「光り輝く祖国」の公演が行われている。
北朝鮮が力を入れている経済特区を文大統領が訪問する可能性もささやかれている。盧元大統領は訪朝最終日に南浦の平和自動車組立工場と大道江をせき止めた西海閘門を訪問し、帰還途中に開城工業団地に立ち寄った。与党・共に民主党の関係者は「金正恩氏が重要視する元山観光特区などを文大統領と財界関係者がサプライズ訪問するかも知れない」との見方を示した。