米中、貿易で「舌戦」=首脳会談前に対立鮮明―APEC関連行事
米国のペンス副大統領と中国の習近平国家主席は17日、パプアニューギニアの首都ポートモレスビーで同日開幕のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に先立ちそれぞれ演説し、貿易政策などで「舌戦」を展開した。
今月末からの20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて開く米中首脳会談を前に、立場の違いが鮮明となった。
演説はAPEC関連行事「最高経営責任者(CEO)サミット」で行われた。先に登壇した習主席は、輸入制限など保護主義的な手段を講じる米国を念頭に「傲慢(ごうまん)さと偏見を減らすべきだ」と批判。「保護主義が世界の経済成長に影を落としている」と指摘した上で、反保護主義の立場を明確にし、「世界貿易機関(WTO)を中心とする多角的貿易体制を守るべきだ」と唱えた。
これに対してペンス氏は、巨額の対米貿易黒字を抱える中国を名指しで非難した。「不均衡の是正に向けて断固たる行動を取った」と輸入関税の上乗せを正当化。「中国が貿易慣行を改めるまで変更しない」と強調し、追加制裁関税を発動する可能性を示唆した。