米朝会談計画、冷静受け止め=「足並みの乱れ」否定―日本政府

米朝会談計画、冷静受け止め=「足並みの乱れ」否定―日本政府

ペンス米副大統領が先の訪韓時に金正恩朝鮮労働党委員長の妹、与正氏らと会談することで合意していたとの米政府発表について、日本政府は冷静に受け止めている。

形の上では米朝対話が実現寸前だったとはいえ、米政府の主眼は北朝鮮に強硬姿勢を伝えることにあったとみているためだ。

菅義偉官房長官は21日の記者会見で、会談の計画を事前に把握していたか問われ、「外交上のやりとりについて答えることは控えたい」と回答を避けた。その上で「安倍晋三首相と(訪韓前に来日した)副大統領は十分な時間をかけて北朝鮮代表団への対応などについて綿密に擦り合わせ、必要な情報共有を行っていた」と強調した。

杉山晋輔駐米大使も東京都内での講演で「対話のための対話はしない点について、日米間に齟齬(そご)は全くない」と力説した。

日本政府が「極秘会談」(ワシントン・ポスト紙)の計画を具体的に知らされていたかは定かではない。ただ、米政府は「北朝鮮に核・ミサイル計画放棄の必要性を理解させる機会だった」と説明しており、日本政府は淡々と受け止めている。

政府高官は「前提がしっかりしており(会談が実現していたとしても)対話のための対話にはならなかっただろう」と指摘。別の政府関係者は「日米は北朝鮮と交渉はしないが、接触を全て否定するスタンスではない。日米とも北朝鮮に伝えなければならないメッセージはある」と語った。