千葉市   自治体アプリはここまで進化

千葉市   「あったら便利」機能が満載 自治体アプリはここまで進化

 

SNSや動画ソフト、地図などは、スマホの必須アプリだろう。それらに比べると地味だが、意外と使い勝手がいいのが自治体のアプリ。そんな自治体アプリの最新事情を紹介しよう。

自治体アプリの典型が防災アプリやゴミ出しアプリ。防災アプリというと、防災施設や災害時帰宅支援ステーションの検索などに役立つイメージだろう。そのほかにも、食品や室内の備えなど防災アイテムをチェックできたり、家族や友人に位置情報付きメールを送れる緊急ブザー機能があったりするほか、家族や友人との安否連絡機能を備えていたりする。では、ゴミ出しアプリは? ゴミの日を表示するカレンダーやゴミの日を知らせるアラート機能のほか、ゴミの分類方法やゴミの出し方などが詳細に分かる寸法――。

こんな具合で「あったら便利」な機能が満載だ。例えば、東京都練馬区の「ねりまちてくてくサプリ」は、区民の健康増進を狙ったアプリ。血圧や体重、歩数などのデータを毎日記録しグラフで見られる機能や、生活習慣チェック機能など10の機能を搭載する。面白いのはウオーキング機能。区内の見どころ付きで、ねり丸スタンプがもらえる「区内てくてくコース」や歩数ランキング機能などがある。

「グループをつくって、その中で歩数ランキングも楽しめます。職場のグループで盛り上がっている方や、ご夫婦で楽しんでいる方もいます」(練馬区健康推進課)

毎日の歩数が自然に増えたという人が多いそうだ。

■有田市は異例の10万DL達成

千葉市の「ちばレポ(ちば市民協働レポート)」は、道路に木の枝が飛び出しているとか、道にゴミが散らかっている、公園の雑草が伸びすぎているなど、町の困りごとを位置情報・写真付きで市民がリポートするアプリだ。市に電話をするとなると平日の日中に限られてしまうが、アプリなら24時間365日、手軽に報告できる。

「リポートは道路、公園、ゴミ、その他に分類されており、報告は平均3日以内に受け付け、市の担当者が対応して結果をフィードバック。8割くらいは1カ月以内に修繕されます」(千葉市広報広聴課)

登録者数は約5400人、リポート数は延べ約9800件。「地域を見る目が変わった」と利用者の満足度は高い。

地域PRのための自治体アプリもある。和歌山県有田市では、有田みかん栽培のシミュレーションゲーム「AR―ARIDA」や、漁業シミュレーションゲーム「漁獲王 in ARIDA」をリリース。特に「AR―ARIDA」は2015年に10万ダウンロードを達成したほどの人気アプリである。

「自治体のアプリとして異例のダウンロード数ということでメディアにも取り上げられ、有田の名産品をアピールする機会になりました。ただ、スマホのOSがアップグレードするたびに改修が必要で、その費用捻出が厳しく、今は改修を断念。懸賞ゲーム機能などはストップしています」

スマホが進化するたびに出費がかさむのは、多くの自治体が抱える悩みだが、使えるアプリ、面白いアプリは少なくない。自分が住む自治体のアプリもぜひチェックしてみよう。