台風21号 関電担当者「対応追いつかない」…折損電柱369本「さらに増える」
台風21号により大規模停電に見舞われた関西電力の送配電カンパニー担当の高市和明氏ら担当者は5日会見し、停電の状況と復旧見通しについて詳細な説明を行った。主な一問一答は以下の通り。
--現時点で未復旧の地域で特にひどいのは
「大阪府はほぼ全域で停電したが、中でも岸和田地域が続いている」
--岸和田のどこがひどいのか
「まだ集計できていない。営業所単位での集計しかできていない」
--岸和田が多いのはなぜか
「まだ原因は調査中、聞いているのは風が強かったということ。設備面の体制(に不備があったかは)は分からない」
--関西国際空港の被害はどうか
「配電線の関係で一部で停電が起きている。『旅客ターミナルで停電』という報道があったが、関電からターミナルへの電気供給は継続している」
--7日中に作業は終わるのか
「建物が損壊したり、道路が寸断されたりして作業に入れず、長引くところはある。すべてが終わるのはもう少しかかると思う」
--きょう(5日)の作業でどこまで復旧できるか
「今は飛来物を除去したり、切れてる電線をつなぎ直したり、できることから送電を再開している。その後、電柱の折損地域で建て直し、もしくは仮補強を行う。今週のうちに電柱の復旧に入れるかどうか、というところだ」
--電柱が369本折損したとのことだが
「停電が起きた地域全体の4割しか被害調査に入れていない。なので、(電柱の被害数も)増える可能性がある」
--他社からの応援は
「中国、四国、九州電力から高圧発電機車40台、他社から配電要員240人が来る。今朝(5日朝)出発したので早ければ今日の午後に来る。今後、全国に応援を要請する」
--電柱の風への耐えられる荷重は。どういう設計だったのか
「風が強いところは風速40メートル。ビルの間などで風が弱まるところは風速28メートルに設定している。今回の台風では工事現場の足場がひっかかったりして、風とは別の荷重がかかった電柱もある」
--停電情報を自動的に更新するシステムが、肝心なときに役に立ってない
「ご迷惑をおかけしている。非常に多くの停電が発生し(入ってくるデータの量が)処理能力をオーバーし、更新するスピードが追いつかなかった。システム再開に向けて作業をしているが、今しばらくかかる。明日の朝に向けて再開したい」
--各地で、かなりの通信障害があった
「私どもではよく把握できていない」
--台風による停電件数としては過去最大か
「平成以降しか記録がないが、その中では過去最大。それ以前はさかのぼろうとしたが、分からなかった。3年の19号は大きな台風だった」
--阪神淡路大震災での停電件数は
「延べ260万件あった。自然災害による停電としては、今回は阪神についで最大規模だ」