船橋市   山田耕筰のピアノ作品CD化

船橋市    山田耕筰のピアノ作品CD化 埋もれた作品収録

 

「赤とんぼ」で知られる山田耕筰(1886~1965年)が作曲したものの演奏される機会が少ない埋もれたピアノ作品を、ピアニストの杉浦菜々子さん(39)=千葉県船橋市=が弾いて収録したCDが14日、発売される。オリジナルに忠実な作品に仕上げるため山田の自筆楽譜を探したといい、「日本のシューベルトと言われる耕筰の歌曲はよく知られていますが、ピアノ曲も物語性があり楽しく聴ける作品がいっぱいあります」と話している。

きっかけは、山田作曲の源氏物語がテーマとなっている「源氏楽帖(がくちょう)」(1917年)との出合いだった。「弾き始めると平安時代の物語が目に浮かぶようでした」と振り返り、国立国会図書館や東京文化会館音楽資料室などで、「源氏楽帖」を演奏した音源を探した。だが、見つけることができず、他にも眠ったままになっているピアノ作品があると思い、調べ始めた。

山田の自筆楽譜を探し出し、出版されている楽譜と比べたところ、「源氏楽帖」の第5曲「花宴」と第6曲「花散里」が入れ替わっていることも発見した。約2年をかけて調査を進め、オリジナルと同じ曲名、曲順にこだわり、CDには16曲を収録。「狐の踊り」や「秋の日のメロディ」といった山田の全集楽譜にもない作品も収めた。

山田は多くの歌曲を残したが、晩年までピアノ作品も作曲し続けた。杉浦さんは「優しい和音で子供たちを描いた作品もありますが、不穏な空気感や、きな臭さを感じさせるような不協和音が鳴り響く作品もあります。時代によって変遷する耕筰の作品は20世紀音楽の縮図でもあり、その時代の社会を反映しています」と力説する。

CDのタイトルは収録曲の「子供と叔父さん(おったん)」で、姉の子どもたちとの生活から生まれた10曲からなる小作品集から取った。ディスククラシカから2500円(税抜き)で発売する。