船橋市
東京パラへ膨らむ金の期待 習志野在住の競泳・中島啓智選手 前哨戦では5種目でメダル
2020年東京パラリンピックの開幕まで25日で残り2年となった。同大会では県内でもゴールボール、シッティングバレーボール、車いすフェンシング、テコンドーの4競技が千葉市美浜区の幕張メッセで開催される。本県関係選手も数多く出場する見込みで、特に16年リオデジャネイロ・パラリンピックの競泳男子200メートル個人メドレーで銅メダルを獲得した中島啓智(けいち)選手(19)=習志野市在住=には金メダル獲得の期待がかかる。(永田岳彦)
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中島選手が水泳を始めたのは3歳の時。体を鍛えることでよく熱を出す体質を改善できないかと考えた母親のすすめで、自宅近くのスイミングスクールに通うようになったのがきっかけだという。
04年のアテネ五輪競泳男子100メートル平泳ぎで金メダルを獲得した北島康介選手の泳ぎを見て、「自分も頑張ろう」と考え、小学4年のときに本格的に競技を目指すコースに入った。
その後は、めきめきと力をつけて、中学時代には全国大会で活躍。高校に入ってからは国際大会にも活躍の場を広げ、高校3年で出場したリオ・パラリンピックの200メートル個人メドレーで銅メダルを獲得した。
高校卒業後は障害者スポーツ選手を積極的に採用しているあいおいニッセイ同和損保に入社。現在は千葉北支店(船橋市)に週2日勤務し、「仕事ぶりは集中力があってまじめ」と上司や同僚の信頼も厚い。
終業後や仕事が休みの日は、千葉市のスイミングスクールで1日4時間、水泳の練習や筋力トレーニングに汗を流す。
「得意なのは自由形だけど、タイムはバタフライのほうがいい」と話すが、東京パラリンピックの前哨戦として注目されたパンパシフィックパラ水泳(9~13日、オーストラリア)では100メートル背泳ぎで金メダルを獲得するなど種目を問わず力強い泳ぎを見せ、出場した5種目全てでメダルを獲得した。
1月の日本知的障害者選手権新春水泳大会では400メートル個人メドレーで4分52秒20の世界新記録も樹立。順調に記録を伸ばし続けている。
それでも「今回のパンパシフィック水泳ではタイムがあまりよくなかった」と振り返り、2年後に向けた調整に余念がない。「苦しいこともあるけれどそれを乗り越えて、大会で自己ベストのタイムが出せると達成感がある。東京パラリンピックでは日の丸を背負って、自己ベストタイムを出したい」
目指すは自己ベスト更新による2大会連続のメダル獲得だ。