千葉市 AIで汚れ予測=頭脳派エアコン続々
家庭用エアコンが人工知能(AI)でさらに賢くなっている。センサーによる室温検知といった機能が進化を遂げ、室内の汚れを予測して自動で空気を清浄するほか、好みの空調環境を学習するタイプも登場。メーカー各社は高い省エネ性に加え快適な住環境をエアコン自らつくり出す先進性を武器に、冬場の買い替え需要を掘り起こす。
パナソニックは無線LANでインターネットにつながるAI搭載の最新モデル「エオリアXシリーズ」(市場想定価格28万~44万円前後)を10月下旬に発売。気象情報会社ウェザーニューズ(千葉市)の花粉飛散予測データなどをネットで取り込み、室内に花粉が舞い込む前に清浄機能が作動する。「クリーンな環境を常に保っていく」(同社)ための先読み運転が特徴だ。
三菱電機は最新の「霧ヶ峰Zシリーズ」(同24万~43万円前後)を来月下旬に売り出す。赤外線センサーとAIを駆使して、体感温度の変化を予測しながら、冷暖房の風向・量などをきめ細かく自動調節。最新製品では除湿制御機能も搭載される。ダイキン工業が来月発売する最上位機種「うるさら7」(同24万~45万円前後)は、AIが家庭内でのリモコン操作履歴などから好みの室内温度・湿度の傾向を学ぶ。
さらに、日立製作所の関連会社、日立ジョンソンコントロールズ空調(東京)が新製品を投入する「白くまくんプレミアムXシリーズ」(同27万~43万円前後)では、センサーとAIを組み合わせファンなど内部の汚れ具合を検知、洗浄のタイミングを判断する。
日本冷凍空調工業会によると、今年の家庭用エアコン出荷台数(1~8月)は、猛暑で前年同期比約7%増の約760万台。過去2番目に多い台数を記録した前年をも上回るペースで推移している。