習志野市    平成30年度市政運営方針

習志野市     平成30年度市政運営方針

平成30年習志野市議会第1回定例会が、2月20日に招集されました。
市議会初日に宮本 泰介市長が述べた市政運営方針全文を掲載します。

平成30年習志野市議会第1回定例会の開会にあたって
本日、ここに平成30年習志野市議会第1回定例会の開会にあたり、新年度に臨む私の所信の一端を申し述べ、議員各位のご賛同と併せて、市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
はじめに
私の2期目の任期がスタートしてから、約3年が経過いたしました。この間、習志野市議会の皆様、市民の皆様をはじめ、関係するすべての皆様の温かいご支援、ご協力を賜りましたこと、深く感謝を申し上げます。
私は、多くの皆様に、“習志野市で暮らすこと”に「幸せ」「魅力」を感じていただくことを目指し、本市の基本理念である「文教住宅都市憲章」に基づき、「基本構想・前期基本計画」及び「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の各種施策の実現に向け、全力で取り組んでまいりました。
市民が生活していく上で、地方公共団体が整備すべき最低限必要な生活基準である、シビル・ミニマムとしての、子育て・教育・福祉はもちろんのこと、将来にわたり大きな課題となっている、老朽化した多くの公共施設の再生、都市基盤の整備・安全安心の暮らしを守る施策などに重点的に取り組み、そのことにより本市の魅力をさらに高め、広く発信することに努めてまいりました。
その中で、本市の人口は、平成30年1月31日現在、約17万3千人と、7年間で約1万2千人増加しております。また、市税収入においても、直近の7年間で約26億円増加しております。
本市の財政概況におきましては、緩やかな景気回復の影響を受け、歳入面では個人住民税を中心に上向きな傾向を維持しておりますが、歳出面では超高齢社会・少子化対策等、社会保障関係経費をはじめとした経常的な経費の増加が著しく、依然として、財政構造全体の硬直化は続いています。
このことは、インフラ・プラントを含め、待ったなしの状況である公共施設の老朽化対策や、多様化する市民ニーズに対応するための新たな事業への着手などを困難にするものであり、これらに対応するため、経費の節減や各種事務事業の見直しなど、さらなる行財政改革にも取り組んでいく必要があります。
国の予算と地方財政対策
わが国の経済状況は、1月の内閣府による月例経済報告において、「景気は、緩やかに回復している。先行きについては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。」とされております。経済・財政再生計画における集中改革期間の最終年となる平成30年度政府予算案は、前年度対比0.3%増加の97兆7千128億円と、6年連続で過去最高規模を更新しました。
また、国の平成30年度地方財政計画では、その総額を前年度対比0.3%増加の86兆8千973億円、一般財源総額を前年度対比0.1%増加の62兆1千159億円としております。
平成30年度の予算概要
このような状況の下、本市では、文教住宅都市憲章に基づき、平成30年度は、引き続き、特に子育て支援・教育環境の整備に力を入れ、総合戦略における「安心して産み育てること、未来をひらく教育を受けることができるまちづくり」を力強く推進するとともに、インフラ・プラントを含め、老朽化した公共施設の再生に向けた取組をさらに加速するなど、社会状況の変化に適応しつつ、本市の将来を見据えた“選ばれ続ける”まちづくりを強化するべく、積極的な予算配分を行ったものであります。
これより本市の平成30年度予算案の概要を申し上げます。
まず、予算の規模は、一般会計が前年度との対比で39億9千万円、7.0%増加の612億5千万円と、過去最大の予算規模であります。これに4つの特別会計と2つの公営企業会計を加えた習志野市全体では、前年度対比約19億6千万円、1.8%増加の1千77億1千599万2千円であります。
一般会計予算の概要でありますが、歳入は、景気が回復傾向にあることや、奏の杜地区等の納税義務者数の増などから、自主財源の根幹である市税収入、及び地方消費税交付金は、それぞれ前年度予算対比約4億円の増加を見込んでおります。一方、地方交付税については、事業の終息に伴う震災復興特別交付税の減等により、約8億円の減少を見込んでおります。
歳出は、新庁舎建設工事が完了し、前年度より18億3千万円の減となる一方で、大久保地区公共施設再生及び給食センター建替PFI事業の施設整備、(仮称)大久保こども園整備事業、谷津小学校校舎改築事業などの普通建設事業費で約32億5千万円、子育て世代の人口増加に対応した、子ども・子育て支援に関連する経費や、生活保護費などによる扶助費が約11億7千万円、過去に発行した新庁舎建設事業などに係る市債償還元金の増により公債費で約2億6千万円、それぞれ増加することが大きな特徴であります。
こうした様々な取組を実施するため、必要な財源の一部を財政調整基金から取り崩すこととし、前年度同額の20億円の繰入れを見込んでおります。
その他、前期基本計画及びそれに基づく前期第2次実施計画と予算との整合を図るとともに、前期基本計画に盛り込んだ施策を、確実に実施するため、国の交付金等、可能な限り財源確保を図ってまいります。
なお、「学校施設等の防災・減災対策」などを盛り込んだ、国の平成29年度補正予算に関連し、本市においても、新年度当初予算に計上予定であった小中学校の大規模改造事業12億5千万円分について、前倒し執行を行うこととし、国からの補助金などを活用し、さらなる財源の確保を図っております。
以下、新年度に取り組む重点施策5点について、ご説明申し上げます。
平成30年度の重点施策
第1は、子どもが健やかに育つ環境の整備を推進することです。
主な施策としては、子ども・子育て支援事業計画に基づき、待機児童の早期解消を目指し、平成31年度に津田沼に新設予定である幼保連携型認定こども園に対し、施設整備費を助成するとともに、民間認可保育所及び小規模保育施設を誘致し、受け入れ定員数を拡大します。
「習志野市こども園整備と既存市立幼稚園・保育所の再編計画第2期計画」に基づき、平成31年度のオープンに向け、大久保保育所と新栄幼稚園を統合した(仮称)大久保こども園の施設整備に引き続き取り組むとともに、本大久保保育所の私立化に向けて、共同保育及び移管先法人による施設整備を実施します。
香澄幼稚園園舎を活用した第七中学校区の市立こども園の施設整備に取り組みます。
市立こども園において3歳児教育を実施するための施設整備を行うとともに、発達を見通した教育・保育内容の検討をいたします。
放課後児童会について、保育環境の充実を図るため、谷津南児童会の施設増設を実施するとともに、谷津第3児童会、谷津南第2児童会、屋敷第2児童会を新設します。また、藤崎・藤崎第2児童会、大久保東児童会の民間委託に取り組みます。
保育を支える人材の確保策として、保育事業者に対する保育士宿舎の借上げ費用の一部を引き続き補助するとともに、保育士処遇改善事業費補助金の新たな拡充、及び放課後児童会支援員の待遇改善を図ります。
子どもの最善の利益を実現することを基本として、多様なニーズに対応した子育て支援を推進するため、ファミリー・サポート・センター、子育て短期支援事業、休日保育、幼稚園及びこども園における預かり保育、病児・病後児保育など、子どもや保護者に必要な取り組みを着実に実施します。
子育て世帯の経済的負担を軽減するため、子どもの医療費等助成、ひとり親家庭を対象にファミリー・サポート・センター利用料の助成や自立支援教育訓練給付金や高等職業訓練促進給付金等の支給を継続します。
第2は、未来をひらく教育と生涯にわたる学びを推進することです。
主な施策としては、安全で潤いのある学校環境の整備として、平成33年度までの4カ年の継続事業として、老朽化した谷津小学校の校舎・体育館等の全面改築工事に着手します。袖ケ浦西小学校、東習志野小学校及び第四中学校の大規模改修工事、並びに屋敷小学校、藤崎小学校、向山小学校、第一中学校、第六中学校のトイレ改修工事を実施します。谷津南小学校の大規模改修工事について設計を実施します。
新学校給食センターについて、PFI事業により建設工事を実施するとともに、来年度の開業に向け、準備を行います。
藤崎小学校に自閉症・情緒障がい特別支援学級の開設に向けた整備を行い、子どもの障がいに応じた適切な特別支援教育を推進します。
その活躍で、習志野市を広く全国に紹介してくれている、小中学校の児童生徒の学校教育活動における文化・スポーツ活動及び習志野高等学校の部活動において、全国大会等に出場する場合に交付する奨励金の拡充を図ります。
本市の「いじめ防止基本方針」に基づき、いじめの早期発見、早期対応に向け、教育関連機関及び対応組織との連携により、引き続き、未解消ゼロに向け、取り組みます。
市民が生涯にわたって豊かな人間性と優れた創造性を育めるよう、芸術文化の向上を推進し、安全安心な利用に向けて、習志野文化ホールの大規模改修工事を実施します。スポーツによるまちの活性化を目指し、トップチーム、トップアスリートの試合を、市民が身近に観戦できる機会を提供する一環として、2018世界女子ソフトボール選手権大会の開催を支援します。
第3は、誰もが健康を維持できる保健・医療・福祉を充実することです。
主な施策としては、「健康なまち」に向けた取り組みを強化し、(仮称)受動喫煙防止条例の制定により、屋外空間での喫煙の規制に取り組みます。産後ケア・産後サポートの取組を継続して実施するとともに、産後うつスクリーニングを導入し、産婦支援の充実を図ります。
国民健康保険データヘルス計画に基づく特定健康診査に集団健診を導入し、受診者の利便性と受診率の向上を図るなど、医療費適正化に積極的に取り組みます。
高齢者の生活を支える地域包括ケアの推進として、習志野市 光輝く高齢者未来計画に基づき、後期高齢者人口の増加を踏まえつつ、基金を投入し、増額幅を抑える中で、介護保険料を改定するとともに、基準緩和型サービス、住民主体の生活支援サービスの導入など、介護予防と日常生活を支援する新たなサービスを開始します。認知症初期集中支援チームの本格稼働と医療・介護連携体制の構築を図ります。
成年後見センターの常設設置により、権利擁護体制を強化します。
(通称)「心が通うまちづくり条例」の理念に則り、障がいに対する市民理解の促進と施設環境の整備を図るため、商業施設・店舗等にコミュニケーション支援ツールを配備するとともに、総合福祉センターに開設されるグループホームの施設整備について、補助します。
市民が安心して生活ができる環境づくりとして、生活困窮者へ向けた就労支援体制を強化し、自立支援を促進するほか、被保護世帯や生活困窮世帯の中高生に対する学習支援事業の定員を増加し、居場所づくり機能を強化します。
第4は、公共施設総合管理計画に基づき、インフラ・プラントを含めた公共施設の再生、暮らしを支える都市基盤の整備を推進することです。
主な施策としては、老朽化した複数の公共施設を機能集約することにより、建設コストと運営費用を削減するのみならず、多世代が交流し、地域コミュニティの活性化とともに、多様な経済効果を喚起するためのモデル事業である、大久保地区公共施設再生事業を着実に推進します。平成31年11月のオープンに向け、民間事業者との適切なパートナーシップの下、円滑な工事着手を図るとともに、運営方法等の検討に取り組みます。
習志野市公共施設等総合管理計画に基づき、新消防庁舎の建設に向けて、(仮称)新消防庁舎建設工事技術審査委員会を設置し、事業の円滑な実行に着手します。その他、公共施設再生計画の個別事業を推進するとともに、第2期、第3期計画の見直しを行います。
インフラ系・プラント系施設の個別計画の策定について、平成31年度までの完了を目指し、取り組みます。
下水道施設及び津田沼浄化センター並びに芝園清掃工場の対策工事を引き続き行います。橋梁(きょうりょう)長寿命化修繕計画に基づき、新京成跨線橋、鷺沼西跨線橋、袖ケ浦2号立体橋の補修工事を実施します。
大久保商店街通りなどの市道(しどう)の改良・維持補修を実施するほか、これまで整備してきた都市計画道路や公共下水道の整備に引き続き取り組むとともに、都市計画道路及び市単独道路の未整備路線について、計画の見直しを行います。
JR津田沼駅周辺地域の都市機能を一層充実させるべく、関係機関との協議を実施し、検討作業を進めてまいります。
鷺沼調整区域まちづくり基本調査を実施します。
公共交通不便地区及び空白地区が一部存在する秋津地区において、京成バスルートの延伸を図るとともに、その上で、道路の拡幅及び歩道整備のため、県立津田沼高校用地の一部を取得します。
第5は、第一次経営改革大綱の着実な実行により財政健全化を推進することです。
主な施策としては、公共下水道事業の平成31年度公営企業会計移行に向け、着実に取り組みを進めるとともに、津田沼浄化センターにおいて包括的民間委託を実施します。
証明書発行窓口の統合等、窓口サービスの充実と更なる効率的な業務体制の整備を図るとともに、人件費をはじめとする内部管理に係る経費を抑制するため、税制課や介護保険課の窓口業務等への民間活力の導入を実施します。
文書管理システムを導入し、文書の電子保存等による業務の効率化、文書の省スペース化を推進します。
現在の納税コールセンター運用と並行して、休日・夜間の自動音声案内を開始し、未納者の自覚を促し、早期の滞納解消による収納率向上を図ります。
資産の有効活用による財源確保策として、ふるさと納税制度を活用した寄附金の確保や保管自転車の売却、広告収入等の拡充を図ります。
若者や子育て世代の定住促進と市民の愛着醸成に向け、常にシティセールスの視点を持ち、「習志野ブランド」の創出とともに、情報発信力の質を向上し、まちの魅力・情報の効果的な発信に取り組みます。
この他、5つの重点施策に掲げた事業に併せてさらに実施する主な施策としては、後期基本計画の策定に向け、策定方針を決定し、基礎資料となる人口推計、市民意識調査等を実施します。
市民の生命・身体及び財産の安全を確保し、安心して生活を送るための取組として、デジタル方式による防災行政無線整備を引き続き推進するとともに、防災資機材の拡充・更新、総合防災訓練及び職員災害対応訓練の実施により、防災体制及び地域防災力の向上を図ります。
空家等対策計画を推進するほか、防犯灯の設置管理や防犯カメラの改修を実施します。
消防施設の整備として、谷津出張所の移転建替に向け、確実に事業を推進するとともに、消防車両の整備として高規格救急車を更新します。
救命処置による救命効果の向上を目指し、市民・学校・事業所等における普通救命講習及びPR活動を実施するとともに、火災予防の推進に努めます。
平和の尊さを次世代に継承するため、被爆体験朗読者の養成を行います。
本市の姉妹都市であるタスカルーサ市との青少年訪問団の受け入れ委託、派遣補助を行い、若者の国際感覚の醸成を図ります。
市内の各産業の活性化を図るとともに、「人・農地プラン」に基づき、園芸機械導入の支援等により、地域農業の担い手への支援を行います。
習志野市民まつり実行委員会が、市民まつり25回開催記念として開催する「習志野きらっと花火大会」を集客資源と考え、効果的なPRを行うとともに、安全な運営体制で実施できるよう支援します。
第3次男女共同参画基本計画策定に向け、男女共同参画に関する市民及び事業所の意識調査並びにワーク・ライフ・バランスの推進に関する事業所実態調査を実施します。
市職員の長時間労働の是正、メンタルヘルス対策を推進します。
以上、主要重点施策について概略をご説明申し上げました
むすびに
現在、日本は人口減少に直面しています。特に世界が経験したことのない生産年齢人口の大規模な減少局面にあります。構造的に歳入が減少する一方で社会保障費を中心に歳出は増加の一途を辿ります。
私が市長就任以来担っている施策は全て、これらの背景を基にした行財政の改善策であります。すなわち、将来を担う子どもたちが成人した時、あるいは年初に新たな門出を祝った新成人の皆さんが実働の中心を担う時に、その活躍を妨げることなく、みんなで大きな活躍を遂げていくための施策であります。
人口減少時代に持続可能な行財政運営を果たすためには、関係するすべての皆様が現実を直視し、理解し、共有し、今後長きにわたり確実に減少していく資源を互いに分かち合わなければなりません。同時に、情勢を的確に捉え将来の財源確保が見込める施策には、連携して積極的に関与しなければなりません。
こうした中で編成した平成30年度予算は「『持続のための発展』を促す予算」として過去最大規模で編成いたしました。
本市が掲げる将来都市像「未来のために みんながやさしさでつながるまち 習志野」の実現に向け、公共施設の再生等、求められている多くの課題への対応をさらに強化し、自立的都市経営を推進しつつ、子育て環境の整備や未来をひらく教育の推進など「住んでみたい、住み続けたい」まちとして選ばれ続けるよう各施策を着実に推し進めるものであります。
平成30年度においても市民の皆様の想いに“共感”し、“信頼”される行財政を実行し、誰もが“希望”にあふれる習志野市を目指し、全ての事業について、職員とともに全力で取り組んでまいります。
議員各位、市民の皆様はじめ全ての関係者のご理解とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げまして、平成30年度の市政運営方針といたします。

 

本日、習志野市津田沼自宅より依頼を受け、お伺い、車椅子にて

習志野市谷津 東京湾岸リハビリテーション病院に

通院治療をされ戻りました。