天皇陛下

天皇陛下

2019年4月30日退位

2019年5月1日

新天皇陛下即位、改元

 

「譲位後はお時間を気にせず、ゆっくりとお過ごしいただきたい」。「平成が終わることに実感が湧かない」-。1日行われた皇室会議で天皇陛下が譲位される日程が決まったことを受け、県内でも陛下にゆかりがある関係者や市民からさまざまな声があがった。

平成27年12月の国立歴史民俗博物館(佐倉市)のご視察時に案内役を務めた久留島浩館長(63)は「一つ一つの展示品を非常に丁寧にご覧になり、皇后さまと非常に良く会話をされていたのが印象的」と、陛下に接したときのことを振り返る。

20~30分の視察予定は倍の40分ほどになり、最後に「また来たいですね」とお声をかけられたという。「譲位されたら公務の時間が減ると思うので、お時間を気にせず、お越しいただけたら」と語る。

譲位の日程が具体的に決まったこの日、両陛下に近づく機会のあった人たちには平成時代の記憶がひとしおよみがえり、陛下のお人柄を慕う気持ちを募らせたようだ。

15年の皇后陛下のご訪問時に案内役を務め、21年のご訪問では両陛下のお出迎えを任された松戸市の戸定歴史館の斉藤洋一館長(59)は「陛下は千葉大園芸学部の敷地に昔お越しになられたことがあった。その時のことを克明に話され、一つ一つのことを大切にされている方だと驚いた」と話す。また、さまざまなことに造詣が深く、知識も豊富で「案内役の専門家の教授らもうれしそうに説明してました」と話す。

また、両陛下が出迎えたスタッフに分け隔てなく丁寧に対応されたことについても「一つ一つの所作に重みを感じました」と振り返った。

ご高齢にも関わらず多忙な公務をこなす陛下の譲位については、ご高齢を気遣う声が目立った。大多喜町の主婦(64)は「譲位は陛下が高齢だということでお決めになったことなので賛成」。千葉市稲毛区の会社員、真田裕也さん(23)は「陛下はご高齢なのに休みなく働いてらっしゃる。負担も大きいし、仕方ない」と、改めて気遣った。

一方で、平成が終わることや、次の元号への関心も聞かれた。

松戸市の大学3年、吉田高寅さん(20)は「平成は自分が生まれた元号。それが終わってしまうのは正直、寂しい部分もある」と、早くも「平成」を名残惜しんだ。自営業の井上一夫さん(53)は「昭和から生きてきた人間からすれば、平成はあっという間に過ぎていったという感覚」と、2度目の改元を前に30年間を振り返った。

市原市の大学生、安次富蓮さん(18)は「平成が終わることは実感が湧かない。新しい元号は、覚えやすく、なじみやすいようなものがよい」と話していた。