千葉市    県内中小企業が採用難

千葉市    県内中小企業が採用難

今春就職の「売り手市場」が続く中、県内の中小企業が採用に苦戦している。求職者1人に対し何人の求人があったかを示す県内の有効求人倍率(季節調整値)は、1・56倍(昨年12月)と高い値で推移。大手や在京企業との人材獲得競争も激しく、「なかなか人が来てくれない」「人手不足が解消できない」といった声が聞かれる。各企業は多様な求人方法を模索し、国や県も合同面接会を開くなどして支援している。(土浦つくば支社・綿引正雄)

■厳しい現状
「採用は充足できていないのが現状。茨城は首都圏に近く、採用を増やす企業が多くて苦戦している」。食品製造の清水物産(本社千葉市)の採用担当者はため息をつく。

同社は稲敷市の生産工場の製造業務と営業職の正社員を募集している。学校向け企業説明会などを開いているものの、必要な人数を確保できていないという。採用担当者は「景気の影響が大きく、中途採用やパート採用も難しくなっている」と頭を抱える。

店舗や物流施設向けに冷蔵設備の設計・施工を手掛ける宮本冷機(ひたちなか市)の担当役員は「業容は広がっており、ますます人手は必要になるが、集まっていない」とする。

自動車部品製造の栗田アルミ工業(土浦市)も生産拠点の拡充で正社員を10人以上採用する計画だが、同社の担当役員は「厳しい状況。高卒は継続採用しているので採用できているが、大卒の反応は良くない」と説明。つくば市の製造業者も「受注は来ており、全職種で人が欲しいが、不足分を派遣社員でつないでいる状態」と明かす。

■充足率14・8%
茨城労働局のまとめでは、昨年12月の新規求人数は1万8009人で、前年同月比13・8%増となり14カ月連続で増えた。正社員の求人も増え続け、1倍を突破。企業の新規求人数に対して就職した人の割合を示す充足率は正社員で14・8%と同4・5ポイント下回った。

民間信用調査会社、帝国データバンクは2018年春採用で人材確保に関する企業の意識調査を実施。「超売り手市場で採用氷河期。中小企業を中心に採用困難な業界や職種、地方では、この波が直撃しているとされ、人材獲得を経営課題と捉える企業は急増している」と指摘。同水戸支店は「大手や在京企業の採用が旺盛で、東京五輪に向けた需要増も重なり、本県の中小企業の採用は厳しくなっている」と分析する。

■多様な人材確保
同社の調査では、7割の企業が採用対策を行い、賃金見直し、就業制度や福利厚生面の充実、採用情報発信やホームページの充実といった対応に動いている。

ラーメンチェーンなど30店以上を展開する雪村(土浦市)は、10人ほどの正社員採用を目指すが、難しい状況。人材確保の一環で、日本語学校と連携し、中国やベトナムなど外国人を採用している。担当者は「外国人スタッフは真面目で、日本人とのコミュニケーションは問題ない。将来的な海外進出も見据えて人材を育てたい」と強調した。

宮本冷機は、高卒は現場や保守点検、大卒は設計、管理などと職種を分けてきたが、「いろいろな職種を経験させ、柔軟に対応して人材を生かしていければ」と対策を考えている。

国や県は中小向け合同面接会を開き、人材確保を支援。県いばらき就職支援センターは県内各地で面接会を主催し、支援機関のひたちなかテクノセンターは国の委託事業として各地で開いている。参加した男子大学生(21)は「地元で就職したいので、いろいろな企業の話を聞きたい」と話した。同センターの採用コーディネーターは「地元志向の学生も多い。企業の魅力を向上させて発信する手伝いもしたい」と支援を進める考えを示した。

 

本日、千葉市稲毛区小仲台自宅より依頼を受け、お伺い、車椅子にて

千葉市中央区亥鼻千葉大学医学部附属病院に

通院治療をされ戻りました。