市川市     市川市長選

市川市   辞退者ゼロ、前回の「5人」そのままで再選挙へ。市川市長選の候補者を紹介

辞退者ゼロ、前回の「5人」そのままで再選挙へ。市川市長選の候補者を紹介
昨年の11月26日に投開票が行われ、法定得票(有効投票数の4分の1の得票)を上回る候補者がいなかったため、再選挙が決定していた千葉県の市川市長選。前市長の任期満了により、12月25日から市長不在が続いていましたが、市川市は再選挙の日程を、4月15日告示、22日投開票とすることを決定しました。
市川市長選は、法定得票(有効投票数の4分の1)を上回る候補者がなく再選挙となった首長選6例目というレアな選挙となりました。ご覧のように上位3名の候補者が横並びで表を分け合い、5名全員でも大差のない得票分布となっています。

◯市川市長選 開票結果(1月29日開票結果)
村越祐民氏 28,109票(23.6%)
坂下茂樹氏 27,724票(23.3%)
田中甲氏  26,129票(21.9%)
高橋亮平氏 20,338票(17.1%)
小泉文人氏 16,778票(14.1%)
次回4月22日の再選挙でも、「25%」を超える候補者が出ない場合は、「再々選挙」となります。3月15日段階では、前回立候補した5名全員が立候補の意向を表明しており、このままでは史上初となる「再々選挙」が現実味を増しています。

前回の選挙の際に掲げた政策などとともに、各候補を振り返ってみます。

村越祐民氏
(前回1位 28,109票)市民との対話によってオンリーワンのまちづくりを。村越祐民氏
元衆議院議員の村越氏は前市政について、政策の決定過程を「ブラックボックス」と批判。市政運営には市民の声を取り入れるべきとし、市民との毎月の対話集会を公約としました。また、JR市川大野駅と船橋法典駅間の新駅設置計画は見直す姿勢を示し、「市民サービスを充実させ市民の困りごとを1つ1つ失くしていきたい」と意欲を見せています。この他、「知恵を生かしたオンリーワンのまちづくりを目指したい」として、政務活動費の廃止、予防医療などによる社会保障費の抑制、商店街振興などを政策として掲げました。

村越氏は市川市出身、青山学院大学国際政治経済学部卒業、早稲田大学大学院法学研究科中退。株式会社日本シリコングラフィックス(現日本SGI)の社員を経て千葉県議会議員を1期、衆議院議員を2期務めました。外務大臣政務官や複数の民間企業の顧問も経験しています。

(前回2位 27,725票)前市長の市政を受け継ぎ、財源は市民目線で適正配分を。坂下茂樹氏
坂下氏は「大久保市政を受け継ぎ、国や県と一緒に事業を進めていきたい」と決意を語っています。現在を「地方自治の変革期」と捉え、限りある財源を市民目線で適正配分していく方針を示したうえで「政治は継続が必要であり、政治の原点は市民の命と財産を守ることだ」と述べていました。具体的には3次救急病院の誘致、待機児童の解消、駅のホームドア設置などを政策に掲げています。

坂下氏は市川市出身、日本文化大学法学部法学科卒業。故・金子和夫県議の秘書を経て市川市議を2期、県議を2期務めました。

田中甲氏
(前回3位 26,128票)子育て支援や京成線立体化などを進め、自然豊かな文教都市を実現したい。田中甲氏
元衆議院議員の田中氏は、市川市を「自然豊かな文教都市」にすることを目指したまちづくりを進めたい考えを表明していました。子育て支援を中心に政策を展開し、待機児童問題の解消に総合的な保育のためのステーションづくり、空き教室の保育園としての利用などを提案しています。また将来の外環道開通に伴う総合交通体系が必要であると主張。「京成線の高架化・立体化はやるべき最大の問題」とし、総合交通体系の整備、電線の地中化、災害を想定した人命救急システムの構築を県議や国会議員時代の人脈を駆使して実現したい、と述べました。

田中氏は市川市出身、立教大学社会学部卒業。市川市議を1期、千葉県議を2期、衆議院議員を3期務めました。

高橋亮平氏
(前回4位 20,338票)子育て支援をはじめとした行政サービスの充実を。高橋亮平氏
高橋氏は大久保市政で実施された財政改革について「市民の負担を増やし行政サービスを縮減した」と批判。世界に発信できるような自治体運営を目指したい、と述べていました。市川市が県内最多の待機児童を抱えている点を問題視し、待機児童ゼロや学力向上と公教育立て直しといった子育て支援、さらに中小企業へのコンサルティング支援の整備、地域分権と支所機能強化など町づくり政策を公約に掲げました。「現在の政治は一部の政党や一握りの人たちだけが得をしている。市民一人ひとりの力で政治を変えるため、私が皆さんの代わりに矢面に立つ」と決意を述べました。

高橋氏は市川市生まれ、明治大学理工学部建築学科卒業。市川市議を2期務めた他、松戸市政策担当官・審議監や中央大学特任准教授を経験しました。

 

(前回5位 16,778票)人が主役のまちづくりによって人口減少に歯止めを。小泉文人氏
小泉氏は「市民の足」を充実させる政策を中心に展開しています。具体的には65歳以上および3歳未満の子供の保護者、障害者を対象に市内バス運賃一律100円、タクシー代補助チケット、公営駐輪場無料化を掲げました。また、立候補を表明した際には、まち・人・暮らしを軸とした「人が主役のまちづくり」を行うとして、保育士の処遇拡大、固定資産税の減額、スポーツ教育の推進を公約として発表。今月10日に開催された公開討論会では「街を支える生産人口の増加」を訴え、人口を現在の約48万人から55万人に増やし市民税の増収を目指したい考えを示しています。

小泉氏は市川市出身、青山学院大学経営学部経営学科中退。株式会社集英社、株式会社イースト(現株式会社イースト・グループ・ホールディングス)、衆院議員公設秘書を経て県議を2期、市議を2期務めました。