船橋市
ビックカメラに見た、 新生活家電を支える人々の想い
就職、進学、引っ越し。新生活をはじめる人が必ず足を運ぶ家電量販店。時代の移り変わりに伴い、新生活の場面にフィットする家電もめまぐるしく変化している。4月1日(日)に放送した「ゲンバビト」(CBCテレビ製作/TBS系列28局ネット)では、時代を映し出す新生活家電をテーマに、家電業界で働くゲンバビトに注目した。
2万歩歩く男
2万歩歩く男
大手家電量販店ビックカメラは、子会社のコジマ電機をふくめ、全国に204店舗。売上高は、7,906億円を誇る。寝具・ドラッグ商品・お酒などの幅広い品揃えを展開しているが、売上の8割を占めるのは、やはり電化製品。取り扱う商品数は、15年前に比べて約2倍に増加しているという。
ビックカメラ最大の売上を誇る『有楽町店』。そこに、地上8階・地下2階の全フロアを1日中歩きまわるゲンバビトがいる。副店長の阿部健太郎さん。副店長の仕事は、各売り場の状況を歩きながら瞬時に読み取り、迅速に指示を出すこと。店舗スタッフへの連絡は1日約200件。専用の携帯はボロボロだ。パソコン売り場にいたかと思えば、他の階で自らお酒を陳列。全フロアを歩きまわり、店内すべての商品を把握する。そんな阿部さんが、あらゆる商品を説明できる秘密に迫った。
「知識のあるお客様には、『それ以上』を提案しなければならない」
それが、阿部さんの考え。そのため、メーカーとの商品勉強会も積極的に行う。この日行われていたのは、オーブンレンジの勉強会。質問をしながら、商品説明に聞き入る阿部さん。ドリップが出ないという解凍技術を知るため、実際にひき肉を解凍してその性能を確かめる。また、ある時は衣類スチーマーの性能について、ユーザー目線での厳しい質問をメーカーに投げかける。
「商品を実感しないと、心からお勧めできない」
だからこそ、まずは自分が『最初のお客様』になったつもりで質問をする。見て、聞いて、触って。ここまでして、ようやくお客様にお勧めできるという。
阿部さんがゲンバで意識していることは、
「いちいち小さなゴールを決める」
そこには、日々知識を蓄え、消費者にとってのベストアドバイザーを目指す姿があった。
無駄を省く女
ビックカメラは売るだけでなく、商品の開発も手がける。商品開発では、メーカーの既存製品をもとに、売る側の感覚で機能を省略。デザインの変更も行い、リーズナブルな新商品を生みだしている。今、売れているのがデジタルフォトスタンド。一時期人気が下降していたものの、音楽機能や、動画機能を省いたところ、売上が一気に上昇。そんなシンプル・イズ・ベストという消費者のニーズを見抜いてカタチにしたのが、商品開発部のゲンバで働く岩岡文子さん。
現在、ビックカメラではアマダナとともに『タグレーベル』という新ブランドを発足。シンプルなデザインが好評を呼び、家電ファンの裾野を広げている。プライベートブランド開発のため、さまざまな相手と打ち合わせを行う岩岡さんは、この日も開発中の新たなテレビのデザインに関する打ち合わせ。消費者を知り、お手頃な商品を考える岩岡さんと、意見を聞き、商品を製造するメーカー。そして、商品のデザイン・監修をするアマダナ。サンプルのテレビを前に、それぞれがそれぞれのベストを目指して、忌憚なく意見を出し合う。製造メーカーが提出したサンプルのテレビは、表面に白い枠、裏面は黒。正面から少し角度をずらすと、黒い部分が見えてしまう。そのカラーリングを見た岩岡さんは、白いテレビ台に白いテレビを置きたい需要がある、とユーザーの声を代弁する。ほとんどのテレビは、コストの関係で裏は黒のまま。でも、なんとか『真っ白いテレビ』にしたい。
プロたちが導き出した答えは、裏面の3割を白いパネルでカバーすること。結果、横から見ても白いテレビになった。また、リモコンのボタンもシンプル・イズ・ベスト。おなじみの『決定』の表記も省略した。家にある全ての家電のリモコンで、十字キーの真ん中は必ず『決定』。だから…
「書かなかったとしてもお客様には伝わる」
消費者をよく知る者だからこそ、ユーザーの知識と経験を信じた。
「10お願いをして、10商品を考えて、1、2個商品になればいい」
商品開発のゲンバでは、できないことの方が多い。苦しいときもある。それでも、
「できた時には嬉しいし、楽しい」。
生みの苦しみをのりこえた先にある幸せ。それを求めて、岩岡さんは今日も商品開発に取り組む。
45000個をさばく男
『家電批評』の武田編集長曰く、数ある家電量販店のなかで、ビックカメラの特色と言えるのが『超速便』。超速便とは、店舗から自宅へお届けするサービス。店で購入、もしくは店に電話して購入すれば在庫がある限り、最短30分で配達が可能だという。
3人目のゲンバビトもまた、配達に携わる人物。配送センター現場統括責任者の小海大樹さん。千葉県・船橋市にあるビックカメラの巨大倉庫。広さは2万坪ほどあり、在庫は常に120万個以上。これらの商品が全国の店舗や、ネットで購入した消費者のもとへ届けられる。1日の出荷量は、およそ4万5000個。大切なのは、届ける早さ。そんなゲンバには、さまざまな工夫があった。
商品を届ける第一歩は、商品の格納。格納の作業が遅れると、その後の全ての作業が遅れてしまうからだ。倉庫内に流れるBGMは『F1GRAND PRIX』。フォークリフトを操る小海さんの格納作業は、鮮やかで素早い。注文が入ると、いよいよ配送作業。ビックカメラの配送が他と違うのは、商品サイズを自動的に読みとり、ジャストサイズのダンボールに梱包すること。適正な梱包形態で、スピーディにお客様にお届けする。それが、配送部門のこだわり。この日も商品をより早くお届けするために、梱包レーンの製造メーカーと打ち合わせをする小海さんの姿があった。
武田編集長によると、中国では買い物のスタイルにも変化が生じてきているという。それが、無人コンビニ。商品についたQRコードなどをスマホで撮影するだけで自動決済できるため、レジも不要だ。買い物のスタイルが変化すると、小海さんの目指す『少しでも早く届けること』は、より大切な要素になる。
「ゆくゆくは在庫で満杯にしたい」
多くの在庫があるほど、より多くの人の手元に素早く届けられるから。
家電量販店で働くゲンバビト。彼らが目指しているのは、よりよい新生活のスタートをきってもらうこと。
本日、船橋市海神自宅より依頼を受け、お伺い、車椅子にて
船橋市北本町船橋総合病院に通院治療をされ戻りました。