松戸市  <東京外環道>三郷南-高谷 あす半世紀越し開通

松戸市    <東京外環道>三郷南-高谷 あす半世紀越し開通

東京外郭環状道路(外環道)の三郷南インターチェンジ(IC、埼玉県三郷市)-高谷ジャンクション(JCT、千葉県市川市)間が2日午後4時に開通する。開通するのは高速道路部分15.5キロと、併走する国道298号の同県松戸市上矢切-市川市高谷間の11.4キロ。1969年に都市計画が決定してから半世紀かけての開通で、物流と観光交流の促進や、市川、松戸両市内の渋滞改善などが期待される。

今回の開通で外環道の6割が完成する。新たに設置されるJCT・ICは、三郷中央IC(三郷市)▽松戸IC(松戸市)▽市川北IC▽市川中央IC▽京葉JCT▽市川南IC▽高谷JCT(市川市)--の7カ所。松戸市に高速道ICが開設されるのは初めて。

外環道は常磐道、東北道、関越道とつながる。高谷JCTは首都高速湾岸線や東関東道と接続しており、千葉の湾岸部から都心部を通らずに北関東エリアにアクセスできるようになる。

地元から期待されているのが、市川、松戸両市を結ぶ初の4車線(片道2車線)道路となる国道298号の開通で沿線地域の渋滞が改善されることだ。両市は交通量に比べ南北に縦断する道路のアクセスが悪く、県道の市川松戸線や松戸原木線など主要道の渋滞が慢性化している。

また、現在抜け道に使われている生活道路への交通量減少の効果も見込まれる。国土交通省の算出によると、両市の市道の事故率は県内の平均に比べ約3倍高く、通学路などの安全性の向上が期待されている。

住民生活に影響も 周辺の交通事情が改善される一方、外環道を挟んだ地域の分断や騒音など沿線に暮らす住民の生活に影響も出ている。

外環道開通に先立つ4月7日、国道298号沿いに「道の駅いちかわ」(市川市国分)がオープンした。市川市で初となる道の駅で、市は観光などの情報発信や防災拠点として活用していく考えだ。

これに伴い国道の一部が開通し、国道と併走する市道にあったバス停「北台」が道の駅近くの国道沿いに移転した。2日には道の駅正面に移り、名前も「道の駅いちかわ」に変更する。

移転前のバス停から新バス停(市川駅方面)までの距離は約300メートル。外環道を横断歩道で渡らないと行けない。バスが通らなくなった市道沿いに住む70代の女性は「人通りがなくなり寂しくなった。(外環道が計画された)50年前より高齢化が進み、地域の状況は変わっている」と訴える。市は今後、開通後の影響について状況を調査し、対応を検討する考えだ。

◇■今回の開通による高谷JCTからの所要時間の変化

開通前 開通後

三郷JCTまで(常磐道へ) 43分  17分

川口JCTまで(東北道へ) 54分  28分

大泉JCTまで(関越道へ) 60分  42分

※国土交通省による

◇東京外郭環状道路

都心から15キロ圏内を円状に囲む東京、埼玉、千葉1都2県を通る全長約85キロの高速道路。「首都圏3環状」の一つで、「首都高速中央環状線(中央環状線)」と「首都圏中央連絡自動車道(圏央道)」の間に位置する。都心から郊外に延びる放射道路とつながり、都心に集中する交通を分散する役割が期待されている。大泉JCT(東京都練馬区)-仮称・東名JCT(世田谷区)間の16キロは現在整備中で、開通時期は未定。東名JCTから首都高速湾岸線までの20キロは計画の具体化に向けて調査中で、着工時期の見通しは立っていない。