千葉市
「ペリエ千葉」28日全面開業、新たに87店オープン 周辺施設への集客策必要に
JR千葉駅(千葉市中央区)の駅ビル「ペリエ千葉」が28日にグランドオープンするのに先立ち、JR東日本千葉支社と千葉ステーションビルは26日、新たにオープンする87店を報道陣に公開した。今回オープンするのは1階部分と地下1階部分で、県内初出店の飲食店や雑貨店、県産の食材にこだわった食品店などが多数出店。駅利用者を幅広く取り込む集客の拠点としたい考えだ。
同施設は千葉駅駅舎の老朽化に伴う改修工事で閉鎖された旧駅ビルに変わる施設。平成23年1月の旧駅ビルの閉鎖後、同年10月に工事が始まり、28年11月から段階的にフロアをオープンさせてきた。
今回の87店の開業で全277店がオープンし、駅舎部分も含め約8万3000平方メートルの大型商業施設が7年半の歳月を経て、全面開業する。
千葉ステーションビルの椿浩社長は「周辺の街との回遊性を高め、千葉を元気にする起爆剤としたい」と話した。
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約半世紀ぶりのJR千葉駅の駅舎新装に伴いリニューアルが進められてきた駅ビル「ペリエ千葉」が28日に全面開業する。ちばぎん総合研究所の調査では、平成29年9月の2~7階部分の開業後、駅周辺や近隣のそごう千葉店周辺の滞在人口は平日と休日の合計で6・8~9・0%増加。駅西口では病院や店舗などが入る複合ビルの開業も32年に予定されており、集客力はさらに高まりそうだ。
一方で、28年11月に閉店した旧千葉パルコ周辺では滞在人口がマイナス16・7%と大きく減少。29年3月に閉店した旧三越千葉店周辺と合わせ、駅周辺からいかに人を呼び込むかが課題となっている。
ちばぎん総研の調査は28年10月と29年10月の滞在人口の変化を調べた。地元の商工団体などもこうした傾向に対処するための対策に乗り出しており、地元商店街などでつくる「市中心市街地東口エリア循環バス運行協議会」は中心市街地エリアを循環するバス「C-bus(シーバス)」の運行を29年4月から開始。だが、駅から1キロ前後離れている中央公園周辺までは、なかなか人の流れが波及していないという。
千葉市も28年3月に50年後を視野に入れた千葉駅周辺のグランドデザインを策定。中央公園と駅前を結ぶ富士見商店街の歩行者天国化構想などを盛り込み、人の流れを取り込むための施策を打ち出している。
ちばぎん総研の観音寺拓也主任研究員は「大型商業施設もオープン直後はにぎわうが、やがて落ち着く。中心市街地の催事、店舗情報を駅で知らせるなどして、駅周辺に集まった人を周辺施設も含めて取り込んでいく工夫が必要になる」と指摘している。