船橋市 <千葉地裁>ディズニーリゾートでパワハラか 契約社員提訴
ディズニーリゾート(TDR、千葉県浦安市)でキャラクターショーなどに出演していた有期契約社員の女性2人が19日、過重労働やパワーハラスメントで心身に苦痛を受けたなどとして、運営会社オリエンタルランド(同市)に対して計約755万円の損害賠償を求める訴訟を千葉地裁に起こした。原告を支援している労働組合「なのはなユニオン」(船橋市)は「オリエンタルランドは安全配慮義務を怠った」と主張している。
同組合などによると、原告2人のうち20代の女性は2015年以降、重さ10キログラム前後の着ぐるみを着て、多い時で月50回程度ショーなどに出演。昨年1月に左腕に痛みを感じて病院を受診したところ、血管や神経が圧迫される「胸郭出口症候群」と診断された。船橋労働基準監督署は同8月、重い着ぐるみでの業務を続けたためだったとして労災認定。女性は昨年1月以降、現在まで休職している。
もう一人の30代女性は13年1月以降、ぜんそくを発症したため楽屋の環境を改善できないか会社側に相談したところ、上司やリーダー格の同僚から「病気なのか。それなら死んでしまえ」などと言われた。その後も今年3月まで「30歳以上のばばあはいらない」などの暴言が続き、精神的ショックを受けたという。
同組合の担当者は「会社に対して従業員が意見を言えない空気になっている。過重労働などを我慢して働き続ける人も多いようだ。そんな中、2人は勇気を出して提訴した」と話した。
オリエンタルランド広報部は取材に「労災認定された事案については、安全配慮義務に反していたとは考えていない。暴言については回答を差し控えたい」としている。