松戸市     戸定邸

松戸市        戸定邸

           松戸市松戸642-1

戸定邸(とじょうてい)は、水戸藩最後(11代)の藩主だった徳川昭武が、千葉県東葛飾郡松戸(現:松戸市松戸)に造った別邸。
国の重要文化財。「戸定館」とも呼ばれる。重要文化財指定名称は、旧徳川家住宅松戸戸定邸。また庭園は「旧徳川昭武庭園(戸定邸庭園)」として国の名勝に指定されている。1991年(平成27年)11月3日に「戸定が丘歴史公園」として整備されて一般公開となった。国土交通省の「関東の富士見百景」や「歴史公園100選」にも選定されている。

松戸宿は江戸時代には江戸と水戸を結ぶ水戸街道の宿場町であった。戸定邸そばの松戸神社には水戸藩2代藩主徳川光圀ゆかりの銀杏の樹があるなど、古くから水戸藩とつながりの深い土地であった。
戸定邸は1884年(明治17年)に完成し、昭武の生活の場として使われた。明治30年代に実兄である元将軍徳川慶喜が何度か訪れ、昭武とともに趣味の写真撮影などを楽しんだ。多くの皇族が長期に滞在するなど、由緒のある屋敷として知られた。1892年(明治25年)、昭武の子の武定が特旨によって子爵を授けられると、以後は松戸徳川家の本邸となった。
昭武がフランス留学など約5年の欧米滞在で見聞きした知識を取り入れて造園され、芝生が植えられた洋風庭園として日本最古と言われる。昭武が撮影した写真を基に、飛び石や樹木などを往時のように復元する工事が2018年5月に完了した。