何が日本一? 1日10万人超も訪れるサービスエリア「海老名SA」人気の理由
高速道路の標識等に使われる「公団フォント」と呼ばれる独特の書体で書かれたメッセージもマニアに人気
海老名SAは4つの「日本一」 人気店目的で訪れる人も
バラエティ番組のサービスエリア(SA)グルメ特集などでは、必ずと言ってよいほど紹介されるのが海老名サービスエリアです。「日本一」と紹介される機会も多いのですが、海老名SAには「日本一」を飛び越えて「世界一」の記録を持つものや、「日本初」となるものも存在します。
日本で最も利用者数が多い海老名SAの魅力を画像でチェック(14枚)
首都圏で東名高速を利用する人なら、一度は訪れたことがあるであろう海老名SAは、休日になると上下線を合わせて1日の平均利用者数は10万人を超えるといいます。なぜこれほどまで人気があるのでしょうか。
海老名SAがオープンしたのは、1968年。この年の4月に東名高速道路 東京IC~厚木IC間の開通に合わせる形で開業しました。ちなみに港北PAも同時オープンしています。大規模リニューアルで現在の形に整備されたのは下り線が2011年4月で、このとき、レストラン、フードコートの座席を185席から258席に増設し、新たに高速道路初出店となるシリアルスイーツ「シュガーバターの木」をはじめとした新たなお店がオープンしました。
一方、上り線は2017年7月に EXPASA海老名としてグランドオープンし、従来からあった1階の店舗には高速道路初出店の「柿安」や人気スーパー「成城石井」、2階のフードコートには、「ザボン」や「たいざん」など東名沿線の人気店がずらりと顔を揃えています。
●気になる海老名SAの「日本一」とは
・利用者数
・利用車両台数
・日本にある高速道路SA/PAの売上高
・レストランやカフェ、コンビニなどの店舗数
ざっと挙げるだけでも海老名SAにはこれだけの日本一があるのです。
近年はそのほかのSA/PAも大幅リニューアルされて規模も大きくなっていますが、海老名サービスエリアのダントツ人気はどんな理由からなのでしょうか? 海老名SAを管理しているNEXCO中日本の広報室に聞いてみました。
「海老名サービスエリアは東京から東名高速に入って約30kmという場所にあるため、交通量が多いという理由もありますが、週末は多くの家族連れでにぎわっており、ファミリー層の利用が多いことも特徴です。ベビー用品の販売やベビー用の施設が充実していることで、赤ちゃん連れでも安心してご利用になれます。SA内は高速道路初出店のお店も複数あり、テイクアウトのお店も豊富で、2階のフードコートにも数多くの名店が揃っています。海老名サービスエリアを目的に訪れるお客様が多いことも、利用者数が多い人気の理由だと思います」
●2016年10月1日~2017年9月30日の1日平均利用者数(※NEXCO中日本管内SA/PA)
1位 海老名(下) 平日2万8000人 休日5万6000人
2位 海老名(上) 平日2万人 休日4万5000人
3位 足柄(下) 平日2万2000人 休日4万2000人
4位 足柄(上) 平日1万7000人 休日3万人
5位 談合坂(下) 平日1万6000人 休日2万9000人
6位 談合坂(上) 平日1万6000人 休日2万7000人
なお、NEXCO東日本管内トップの守谷SA (下)は平日14400人、休日21700人。同西日本トップの草津PA(下)では平日1万6000人、休日2万7000人とのこと。
名物メロンパンは2018年4月にギネス世界記録に認定
旅行情報誌「じゃらん」が、2018年5月にトラックやバス、タクシーなどプロドライバー500名に対して行なった「東名・新東名の人気SA/PA」調査においても、海老名SAは下り線、上り線で1、2位を獲得しています。
●「利用して良かったSA/PA」(「じゃらん」調べ)
1位 海老名SA 下り
2位 海老名SA 上り
3位 足柄SA 下り
4位 浜名湖SA 下り
5位 足柄SA 上り
6位 浜名湖SA 上り
7位 駿河湾沼津SA 下り
8位 港北PA 下り
9位 牧之原SA 下り
10位 富士川SA 下り
筆者(加藤久美子)も海老名SAは下りも上りも週に1~2回は利用します。駐車場の満空表示がブロックごとでわかりやすく、トイレも綺麗で(最近のSA/PAはどこも綺麗ですが)駐車場と同じく空き情報がわかりやすくなっています。また、入っているお店がバラエティに富んでいて、利用者を飽きさせない工夫もされています。
海老名SAの名物の一つに、「ぽるとがる」(西洋フード・コンパスグループ運営)というパン屋さんで販売される「海老名メロンパン」があります。海老名SAの中でもいつも大勢のお客さんで賑わっているお店で、メロンパンブームの先駆けとなったお店でもあります。今年4月には、海老名SAの50周年に絡んだイベントでは「48時間で最も多く販売されたメロンパン」としてギネス世界記録にも認定されました。48時間での販売個数は2万7503個。それまで同社が持っていた1日の最高販売記録6700個をも大幅に上回る結果となりました。
ぽるとがる海老名サービスエリア店の村本店長に人気の理由を伺いました。
「当店では1993年から海老名メロンパンを販売しています。当時はメロンパンとチョコチップメロンパンの2種類だけでした。95年頃にメディアに取り上げられる機会が増え、徐々に認知度が高まってきて、メロンパン人気が拡大してきました。人気の理由はちゃんとメロンの味や香りが楽しめるパンで、サイズも大きめで食べ応えがあると言ったところが支持されていると考えています」
さまざまな「日本一」のある海老名SAですが、行ってみたいけど「車がない」「高速道路での運転は怖い」という方もいらっしゃるかもしれません。実は海老名SA上下線とも一般道からコミュニティ・バスや自転車、徒歩でも入ることも可能です。
一般道からサービスエリア内の商業施設を利用するための「ぷらっとパーク」という入口を利用するもので、従来からの上り線の他、2016年からは下り線にも同様に入場口と駐車場が設けられています。一般道から車で行くならぷらっとパーク専用駐車場(無料)に停めて徒歩で中に入ることもできます。