松戸市 合葬式墓地「鵯越合葬墓」
この墓、これからどうすればいいんだ……。
お盆に墓参りをしながら、そう思った人は少なくないだろう。先月発表された2017年版「国民生活基礎調査の概況」によると、夫婦のみの家庭は1210万世帯。5組に2組だ。
子供がいない夫婦にとって、墓じまいは切実な問題だが、神戸市は、市立墓園では初めての合葬式墓地「鵯越合葬墓」の申し込み受け付けが3169体と、560体の予定数の5倍を超えたと発表。そのうち6割は、生前申し込みだったという。想定以上のニーズがあったことから、市は、抽選せず、全員に使用許可を出す画期的な判断を下している。
個別に墓を建てると首都圏だと300万円はかかるが、合葬墓は格安だ。鵯越合葬墓には、合葬施設と、骨つぼのまま10年保管してから合葬する個別安置施設があり、1体当たり、合葬施設は5万円、個別安置施設は10万円で済む。自治体の墓園だけに、人気になるのは当然だろう。
では、東京はどうか。東京都公園協会霊園課に聞いてみた。
「8カ所ある都立霊園のうち、合葬施設があるのは八柱と小平の2カ所。先月締め切られた応募を集計すると、八柱の募集は全体として1400体で、受付数は1547体。倍率は1.1倍です。小平には、一般の合葬施設のほか2つの樹木型合葬施設があり、一般の合葬施設の募集数は800体に対し、受付数は6546体で、8.2倍。樹木型は、7.9倍と1.5倍です」
いずれの霊園も、遺骨での申し込みか生前申し込みかで分かれ、さらに「遺骨の数」や「直接共同埋蔵」「一定期間後共同埋蔵」などによって細かく募集が分けられているが、小平の一般合葬施設で生前申し込みは軒並み10倍超えだ。それでも昨年は30倍超だったから、年によってバラつきがあるようだ。都立といっても、千葉県松戸市にある八柱は昨年、1倍を割っていたから、抽選突破の可能性は高い。
気になる使用料はというと、八柱の直接共同埋蔵で1体当たり5万2000円、同じタイプの小平で5万9000円と破格だ。自治体の霊園募集は毎年、チェックしておいた方がいい。