船橋市 <ツール・ド・東北>エイドステーション

船橋市

<ツール・ド・東北>エイドステーションは海の幸たっぷり 食と笑顔でおもてなし

「ツール・ド・東北2018」最終日の16日、10カ所のエイドステーション(AS)が開設され、住民が地元の名物料理を提供した。ライダーは東日本大震災被災地の復興を肌で感じながら、思い思いに走りを楽しんだ。

石巻市の雄勝ASでは、地元住民が銀ザケのおにぎりや、網で焼いたホタテを振る舞った。雄勝湾産のホタテは12日にまひ性貝毒の出荷自主規制が解けたばかり。提供した3分の2は岩手県産だったが「少しでも雄勝湾産を出せてよかった」と、ホタテを焼いた市職員及川剛さん(54)はホッとした表情を見せた。
ASに立ち寄った横須賀市の自衛官山本学さん(45)は震災の際、雄勝地区で行方不明者捜索やがれき処理をした。ホタテを頬張り「復興に向けて歩む様子を見ながら走ることができた」と感慨深そうに語った。
雄勝中は全校生徒14人のうち2、3年9人が和太鼓の演奏を披露。ASで演奏するのは初めてだ。3年の阿部洋都(ひろと)さん(15)は「練習を含めて一番いい演奏ができた」と笑顔を見せた。
今年本格再開した石巻市の白浜海水浴場の正面に構えられた北上ASでは、地元産「うにめかぶ」と、震災で海水に漬かった水田で収穫された復興再生米「金のいぶき」を提供。神戸市の会社員小松孝洋さん(37)は「うにめかぶは味があっさりしていて、つるっと食べられる。疲れ気味なコース終盤にちょうどいい」とうれしそうに語った。
ボランティアとして5回目の参加となった東京都板橋区の会社員横山恵美さん(23)=石巻市出身=は「『一番おいしい』といってくれた人もいてうれしい」と表情をほころばせた。
女川町のJR女川駅前にある女川ASではサンマのすり身やネギが入った「女川汁」が振る舞われた。町商工会女性部が約3500杯を用意した。「愛情を込めてみんなで作った」と商工会の島貫洋子さん(62)。千葉県船橋市の会社員小野友夏さん(36)は「魚が苦手だけど、臭みがなくておいしい」と満足そうだった。