浦安市 連合×旧民進系2党 難航する参院選共闘 候補擁立方針で溝
来年夏の参院選に向けて連合と立憲民主、国民民主両党が結ぶ「政策協定」の策定が難航している。連合は当初、11日の中央委員会に両党代表を招いて締結する日程を描いていたが、先送りを余儀なくされた。背景には参院選での共闘をめぐる両党の見解の隔たりがある。(広池慶一)
「『拙速に決めて、思いが違っていた』ということになってはいけない。丁寧に話し合いを重ねている」
連合の神津里季生(こうづ・りきお)会長は11日、中央委員会の会場で記者団にこう語り、政策協定のとりまとめに時間を要していることを認めた。政策協定は参院選での協力の前提となる文書。協定締結により、連合が参院選で両党を支持し、公認候補を推薦することが固まる。
連合は過去の国政選挙で両党の前身の旧民進党と政策協定を結び、これまでの文面を踏襲すれば比較的容易に調整が進むとみられていた。ところが、選挙協力に関する両党の意見対立が足かせとなった。
両党を含む主要野党は参院選の改選1人区で候補者を一本化すべきだとの認識を共有しているが、複数区に関しては思惑が異なる。
立憲民主党は9月の党大会で採択した活動方針に、複数区では原則独自候補の擁立を目指すと明記した。一方、国民民主党は静岡選挙区(改選数2)の榛葉賀津也(しんば・かづや)参院幹事長ら複数の議員が改選を迎えるため、一本化に期待を寄せている。
両党の認識の違いは、政策協定の前段である「覚書」の文言調整の際に顕在化した。連合関係者によると、改選複数区での一本化に触れた覚書の原案に立憲民主党が反発し、とりまとめが難航したという。
最終的に連合と両党が交わした覚書は「1人区、複数区ともに、両党それぞれによる推薦・支援を含め、連合の組織力を最大限発揮しうる環境を構築」との表現で決着した。相互の「推薦・支援」はあくまで選択肢の一つだという書きぶりにとどめ、複数区での独自候補擁立にこだわる立憲民主党の顔を立てたわけだ。
連合幹部は「文言のすり合わせは大変だった。立憲民主党は複数区で共倒れにならないように考えてほしい」と不満を漏らす。
連合は11月下旬に予定する中央委員会での政策協定締結を目指し、両党との協議を本格化させる。ただ、両党はエネルギー政策などをめぐる溝も抱えており、新たな火種が生じる可能性は否定できない。