習志野市「不登校」も過去最多 19万3674人

習志野市   <文科省>「不登校」も過去最多 19万3674人

 

文部科学省が25日に公表した2017年度の問題行動・不登校調査で、年間30日以上欠席した「不登校」の児童・生徒は、前年度比6.3%増の19万3674人と過去最多となった。一方、学校が出席扱いと認定したフリースクールなど学校外の民間施設へ通う児童・生徒も増え続けている。

不登校は小学校で3万5032人、中学校で10万8999人、高校で4万9643人。年間授業日数の約半分に当たる90日以上欠席したのは6割弱に上る。

不登校を巡っては旧文部省が1992年、子どもが学校外の施設に通う場合、「保護者と学校が連携している」「通所施設で相談、指導を受ける」ことなどの要件を満たせば、校長が出席扱いにできるとの通知を出した。

その後、いじめに比例して不登校も増え、フリースクールなど受け皿となる校外の施設が相次いで開設された。出席扱いとされる児童・生徒も右肩上がりで、92年度の7424人から、17年度は2万346人となった。

92年通知では、要件に「通所が学校への復帰を前提としている」ことを挙げていたが、文科省は昨年3月、「復帰を前提とすると子どもを心理的に追い詰める」などの意見を受け、「教育機会確保に関する基本指針」を策定。不登校の支援策を「登校という結果のみを目標にするのではない」とし、校外の施設を多様な学習環境の場として積極的に容認する方針に切り替えた。

千葉県習志野市の「フリースクールネモ」に通う約20人は、ほとんどが出席扱いだ。朝から夕方まで小中学生らがゲームや読書、勉強と思い思いの時間を過ごしている。無理に復帰を促すことはない。

ネモを運営するNPO法人「ネモネット」の前北海(まえきたうみ)理事長は「出席扱いが増えたのはフリースクールの認知が進んだ証し」と話す。一方、あくまで「扱い」のため内申書には出席と区別されて表記されることもあるとして「進学時に不当な扱いを受けることもある」と課題を挙げる。

日本で唯一の不登校専門紙「不登校新聞」の編集長で、自らも不登校を経験した石井志昂(しこう)さんは「不登校の子どもがいること自体が問題ではなく、学校と距離を取りたい子どもも学校へ戻そうと促し、子どもを傷つけてきたことが問題。文科省の調査ではフリースクールの会費は月3万3000円とされ、公的支援が必要だ」と指摘する。