市川市
<子どもの見守り>広がるIT活用 位置情報確認アプリなど
大阪府寝屋川市の中学1年の男女2人を2015年8月に殺害したとして、殺人罪に問われた山田浩二被告(48)の裁判員裁判の初公判が1日、大阪地裁(浅香竜太裁判長)で始まった。
幼い2人の命が奪われた事件後、ITを活用して子どもの安全を守る取り組みが広がっている。
大阪府箕面市は昨年度、IT会社「otta」(福岡市)の見守りシステムを本格導入した。全市立小中学校の約1万1000人に笛形の小型発信機を配布。学校や塾など市内の約700カ所に検知機を設置し、児童らが近くを通ると位置情報が分かる仕組みだ。
システムは、専用のアプリを入れると、スマートフォンが検知機の代わりになるのが特徴。利用者が増えるほど検知範囲が広がり、市職員や教員、見守り活動をする市民らも協力している。
位置情報は保護者がアプリで見られ、緊急時は学校側も確認できる。福岡市は一部の学校で導入し、東京都府中市や千葉県市川市も実証実験を行った。
一方、事件があった寝屋川市は今年9月から、市立小の1年生にGPS(全地球測位システム)端末を無料で貸与し、約7割の保護者が申請。全国的にも珍しく、2カ年で約2000万円の予算を見込んでいる。
端末は手のひらサイズで、移動している場合は3分ごとに位置情報を発信。指定地域から出ると保護者に通知する機能もある。市教委は「地域全体で子どもを守る取り組みを進めたい」と話す。
兵庫県伊丹、加古川両市では防犯カメラに受信機を取り付け、見守りサービスを展開。発信機を持っていると位置情報が分かり、認知症高齢者らの位置把握にも役立つという。