<元徴用工判決>韓国政府 司法との溝解消、具体策見えず

<元徴用工判決>韓国政府 司法との溝解消、具体策見えず

 

韓国人元徴用工らの戦後補償訴訟で韓国最高裁は29日、日本企業に賠償を命じる2件の確定判決を言い渡した。韓国政府は、この問題を一括解決した日韓請求権協定(1965年)との整合性を図るため、最初の確定判決が出た先月末に「総合的な対策を用意する」と表明したが、具体策が見えないまま確定判決が相次ぐ事態に突入している。

この日判決が下された2件のうち差し戻し審の徴用工訴訟は、2000年に初めて韓国の法廷で始まった戦後補償訴訟だ。日韓請求権協定の個人請求権に関する外交文書公開を求める行政訴訟を経て、盧武鉉(ノムヒョン)政権から05年に「強制動員被害者に対する韓国政府の補償が不十分だった」と追加支援の「慰労金」を引き出すきっかけにもなった。

ただ、韓国最高裁の判決は、初の韓国戦後訴訟に呼応したはずの盧政権の支援策を法的解決とみなしておらず、追加支援による国民和解で解決済みという韓国政府見解まで見直しを迫っている。さらに、不法な植民地支配における反人道的違法行為については国家が国民の権利を守る「外交的保護権」も残っているとも判断。国内措置でおさめたい文在寅(ムンジェイン)政権に、日本との外交交渉を求めたとも解釈できる。

地裁、高裁で日本企業に賠償を求める訴訟は12件が係争中だが、今回の確定判決で日本企業に賠償責任を求める現在の流れがこのまま定着することはさらに明確になった。韓国政府が李洛淵(イナギョン)首相を中心に検討している対応策の中身が今後の焦点だが、司法判断と韓国政府見解の溝を埋める妙案は「まだ見えていない」(韓国外務省高官)状況だ。

◇三菱重工「極めて遺憾」

三菱重工業は29日、「日韓請求権協定や日本政府の見解、日本の確定判決に反するもので、極めて遺憾。今後、日本政府とも連絡を取りつつ、適切に対応する」とのコメントを発表した。

 

日本国日本国企業は南朝鮮より離れるべき