北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は27日、米FOXニュースの報道番組に出演し、NATO加盟29カ国の国防費に関し、トランプ大統領の要請に応じる形で加盟各国が来年末までに増額させていく意向であることを明らかにした。増額される総額は「各国合計で1千億ドル(約11兆円)規模になる」としている。
ストルテンベルグ氏は「トランプ氏はNATOへの関与姿勢を非常に明確に打ち出してきた」と述べ、同氏がNATOを軽視しているとの見方を否定した上で、「トランプ氏は同時に加盟国に(国防への)さらなる投資を訴え、加盟国は同意した。その成果が現れてきた」と指摘した。
NATO加盟国は2014年、国防予算を24年までに国内総生産(GDP)の2%まで増額させることで合意したが約半数の加盟国は目標に達しない見通し。
ストルテンベルグ氏は「NATOの同盟諸国はトランプ氏のメッセージを受けて立ち上がった。より公平な責任分担が行われるという意味で良いニュースだ」と語り、トランプ氏によるNATO批判は前向きな効果を上げていると強調した。
トランプ氏は番組の放映を受けて同日、ツイッターで「ストルテンベルグ氏は(加盟国の国防費増額は)私のおかげだと述べた。これこそ責任分担だ。民主党や偽ニュースの主張とは裏腹に(NATOは)より団結した」と書き込んだ。