船橋市 エルサレムイスラム教徒にとってのエルサレム
では、イスラム教徒にとっては、なぜエルサレムが重要なのでしょうか?
そもそもこの3大宗教は姉妹宗教と考えられており、神の呼び方は異なるものの三者ともに同じ神を信仰しています。ユダヤ教がユダヤ民族だけの民族宗教であったのに対し、キリスト教はユダヤ教の改革(刷新)運動として登場しました。この改革によってユダヤ教はキリスト教となり、世界宗教へと変化します。
さらに、イスラム教ではユダヤ教のモーゼもイエスキリストも預言者であると認めたうえで、ムハンマドが最後の預言者であり、イスラム教こそが2つの宗教を完全な形にした最終形であるとします。
ですから、イスラム教ではユダヤ教のアブラハムが、最初の「イスラム教徒」であるイブラヒムとして登場しています。そのため、当然、イスラム教徒にとってもエルサレムも重要な土地となります。
現在ではイスラム教徒はメッカの方角を向いて祈りを捧げますが、メッカが選ばれる以前は、祈りはエルサレムに向けてささげられていたほどです(のちに礼拝の方向は神の命によりメッカに変更されます。変更の理由は神が命じたためであり、理由を問うべきではないとされています)。
そして、アブラハムが息子を殺そうとした場所(岩)は、イスラム教にとっては違う理由で重要なのです。ムハンマドが天使ガブリエルによってメッカから一夜にしてエルサレムのモスク(神殿)にやってきて、そのモスクにある岩から天馬に乗って神の御前に至ったという一説がコーランにあるためです。
この岩にはムハンマドがつけた足跡があるとされ、この岩を中心に「岩のドーム」がめぐらされ、その横にアル・アクサモスク(アラビア語で遠隔のモスクという意味)が建設されているのです。
ですが、このムハンマドの足跡については、十字軍がエルサレムを占領していた11世紀には、「キリストの足跡」とされ、岩のドームはキリスト教の礼拝所として、モスクは王の宮殿として転用されていたといいます。また、この岩のドームとアル・アクサモスクはユダヤの神殿の上に建設されているために、嘆きの壁を共有するような形になっており、イスラム教徒とユダヤ教徒の最も熾烈な対立の場となっているのです。
比較的最近の争いとしては、2009年にアル・アクサモスクにイスラエルのシャロン外相が武装した側近1000名を伴って乗り込んだことから始まり、パレスチナ人との全面的衝突へと発展した第二次インティファーダ(民衆蜂起)があります。この対立によって1000名とも2000名ともいわれる犠牲者がでました。
そもそも、旧市街地にあるすべての宗教的・歴史的建造物が、本当にエルサレムにあるべきであったのかについての確証はありません。つまり、アブラハムが息子を殺そうとした場所についても諸説あり、イエスキリストが亡くなったのも本当に聖墳墓教会の建設された場所であったのかについてもわかってはいません。
もちろん、イスラム教の場合にも同じことが当てはまります。これらの3つの宗教以外の人々にとって、そしてたとえ3つの宗教を信じていたとしても熱烈な信仰心のない人々にとっては、聖地の持つ重要性はいまひとつピンとこないというのが本当のところではないでしょうか。
本日、船橋市高根台自宅より依頼を受け、お伺い、車椅子にて
船橋市金杉船橋市立医療センターに通院治療をされ戻りました。