米中に捨てられる韓国(1)
米中首脳のフロリダ祭りは終わった。トランプ大統領は何かを捕食しなければいけない猛獣のようにうなった。彼は「我々は長い対話をした。しかし私が得たものは何もない」とハングリーなボクサーのように語った。米国の大統領として非常に品格が落ちる言葉のように聞こえた。しかし彼の就任演説の「米国を安全にし、米国人に職場を与える」という部分を思い出した。安全と雇用に向けた彼の強迫観念に近い執念と理解した。習近平国家主席の接近法は相対的に優雅だった。「中国と米国が協力すべき理由は1000件あるが、関係を壊す理由は一つもない」と述べた。言葉はもっともらしいが、少しでも利益がかかれば顔色を変えてくる「小人は面を革む」という言葉が思い出され、苦笑が出た。
結局、トランプ大統領は大きなものを手にした。いわゆる「貿易100日計画」だ。今後100日以内に米中間貿易不均衡を明確に改善することで習近平主席と合意した。習近平主席も所期の目的を達成した。戦雲が漂う南シナ海で軍事的衝突を予防する装置を用意した。両国が経済と安保を一部ずつやり取りした姿だ。
問題は韓国だ。クジラの争いにエビは打撃を受けた。北朝鮮の核、高高度防衛ミサイル(THAAD)は解決できない矛盾であることが表れた。2つの問題を解決できなければ他の解答はない。時間の偉大な力を信じたり彼らの考えが変わるのを待たなければいけない。そうでなければ、ある種の環境の変化で米中の核心利益が変更することを願うしかない。
ある種の環境の変化とは例えばこういうものだ。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長が中国にまでミサイル脅迫をする状況だ。想像できないという人もいるだろうが、想像できないことが起こるのが最近の世の中だ。金正恩委員長の度胸が自分の父を越えるだけに、ロシアと手を握って米中と孤独な対決を選択することもあるかもしれない。
韓国で環境変化の可能性はもう少し現実的だ。新しい政権になった後、THAAD配備を国会の議決で拒否するシナリオだ。共に民主党と国民の党が党論でTHAAD配備に事実上反対しているだけに可能性は十分にある。近い未来にこういうことが起こるかもしれない。韓国のTHAAD反対、自主的平和主義者が描く反米的理想が実現する未来だ。さらに新大統領が開城(ケソン)工業団地の再稼働と金剛山(クムガンサン)観光を宣言し、金正恩委員長に首脳会談を提案すれば、韓国は外交的に親中国圏に分類される。中国はTHAAD報復を中断するだろう。