<千葉市>幕張メッセ付近を独自でバリアフリー

<千葉市>幕張メッセ付近を独自でバリアフリー

◇大会組織委から示されず独自整備

開催まで2年となった2020年東京五輪・パラリンピックに向けて、千葉市はJR海浜幕張駅から、競技会場となる幕張メッセへの道路などのバリアフリー化を進めている。整備対象は周辺のホテルへのルートも含む計3.6キロで、駅に近いところを優先的に工事を進めており、8月1日現在、約2.1キロを整備した。

市によると、最寄り駅から各競技会場までの道路は、障害者や高齢者が利用しやすいように配慮する必要がある「アクセシブルルート」として、大会組織委が定めることになっている。だが、現在も組織委から示されないままで、市は昨年、独自にルートを想定。今年4月、バリアフリー化に着手した。景観面から道路の色と同化させていた点字ブロックを弱視者でも見えるように目立つ黄色に変更。横断歩道付近にあった車道と歩道の段差も24カ所中10カ所を解消した。駅南口の駅前広場を除き今年度中に完了する予定という。

市は駅から会場までのルートとともに「障害を持った宿泊者にも不自由なく回遊してほしい」と、駅からホテル周辺のルートや会場からショッピングセンター「イオンモール幕張新都心」へ続く道路も整備対象とした。また、駅前広場は身体障害者用の乗降場を1台分から2台分に増設し、広場から会場に続く歩道橋にエレベーターやエスカレーターを新設する予定で、19年夏の完了を目指す。

これらの整備に同市は6億5500万円を見込んでいる。組織委から別のルートを示された場合は事業費が膨らむが、市土木保全課の遠藤政行課長補佐は「示されるのを待っていたら間に合わなかった。組織委から示されたとしても我々の想定の範囲内で、若干の修正はあっても大会には間に合うと思う」と話す。