拉致解決、先行き険しく=米朝後の道筋見えず

拉致解決、先行き険しく=米朝後の道筋見えず

6月12日と想定される史上初の米朝首脳会談に向けた動きが活発化する中、安倍晋三首相が「最重要課題」と位置付ける日本人拉致問題の解決の糸口をつかもうと躍起になっている。

内政での閉塞(へいそく)感を打開したいとの思惑もあるとみられる。ただ、トランプ米大統領に拉致問題を取り上げてもらう以外の道筋は見えておらず、先行きは険しそうだ。

「拉致問題の解決が絶対に必要だ」。首相は28日夜、トランプ氏に電話し、既に言質を得ている米朝首脳会談での拉致問題提起を改めて要請した。その直前には拉致被害者の家族と面会し、家族の願いをすかさずトランプ氏に伝えるという念の入れようだ。

首相はカナダでの先進7カ国首脳会議(G7サミット)直前の6月7日にワシントンを訪問し、トランプ氏と会談する方向で調整中。菅義偉官房長官は30日の記者会見で、会談の狙いについて「核・ミサイルの完全放棄、そして重要な拉致問題の全面解決をしっかり訴える」と語った。