豪雨の死者150人超、捜索活動・復旧作業続く
豪雨災害の恐ろしさ、いまだ行方がわからない方が50人以上いらっしゃいます。亡くなった方は150人を超えました。新たな氾濫も起きる中、懸命の捜索活動は、復旧作業は、どうなっているんでしょうか。
午後0時20分です。広島県府中町の榎川が越水したとの情報が入ってきました。水が住宅地に流れ込んできています。広島県府中町の映像。10日午前11時過ぎ、町内を流れる榎川が、突然氾濫しました。茶色く濁った水が住宅街に流れ込みます。
雨も降っていないのに、なぜ川が氾濫したのか。総社橋に流木、あるいは土砂が堆積し、その影響によって、いわゆるダムのような状況になってしまいました。たまった水があふれ出して、この本町付近に注ぎ込んでいます。決壊しています。橋にたまった流木などにせき止められ、あふれ出したのです。
住宅のすぐ下に濁流が押し寄せます。
「(早く逃げた方がいいかもしれない)分かりました。皆で連絡取ってやります」(住民)
水は急速に辺りに広がっていきます。
近くの幼稚園では、急いで避難を開始。
「こっちね、みんな高いところで待っててね」
目指すのは高台。付近の住民にも避難指示が出されました。
土砂災害が起こった熊野町の川澄地区です。安否不明者もまだ数多くいらっしゃるという情報もあります。
強い日差しが照りつける中で続けられる捜索活動。JNNのまとめでは、今回の豪雨で、死者は150人を超え、依然60人近い人が行方不明となっています。
安芸区矢野東の団地では、重機を使った撤去作業が行われています。大きなものをまずどかさないと、行方不明者の捜索もできないということです。ただ午前10時頃には、こちらに警察が一列に並んで、手作業で中に埋もれたものを運び出していました。素早く、そして慎重に進められる捜索活動。
JNNが新たに入手した堤防が決壊した直後の岡山県倉敷市真備町の映像。濁流にタクシーが流され、沈んでいく様子がとらえられていました。
10日、水が引いた地域では、家の中に取り残された人がいないか、自衛隊、警察、消防が、一軒一軒、確認を続けています。
一方、道路が寸断され、孤立化している地域も。その1つ、広島県呉市に船で上陸しました。土砂災害が発生したということがわかります。その土砂が住宅まで流れ込んできたために、乾いた土砂を住民の方々が撤去している様子も確認できます。
こうした土砂崩れで滞っているのが物流です。呉市中心部のスーパーでは、総菜コーナーにほとんど品物はありません。ケースは空っぽのままです。水などの飲料は、7日から仕入れがストップ。入荷のめどは立っていないと言います。
「道路が良い状況になって、早く物流が復旧することを願っている」(株式会社万惣 村谷大輔店長)
25人の尊い命が奪われた愛媛県。肱川の氾濫により水浸しになった大洲市では、10日朝、ほとんどの小中学校で授業が再開されました。
宇和島市では、幼い命が犠牲となっています。土砂崩れに巻き込まれた小学4年の男の子が、9日、心肺停止の状態で見つかりその後、死亡が確認されました。
「素直ないい子だった。おはよう言って声かけてね」(男の子を知る女性)
想定外の事態も発生する中、復旧作業が進められる被災地。現場では、暑さとの戦いも強いられています。(10日17:50)