安倍晋三首相「今年は実行の一年。新たな国づくりに向けて改革を力強く進める」

安倍晋三首相「今年は実行の一年。新たな国づくりに向けて改革を力強く進める」

安倍晋三首相は1日付で年頭所感を発表し、今年を「実行の一年」と位置づけた上で「新たな国づくりに向けて、国民の皆さまと手を携え、改革を力強く進めていく」と表明した。年頭所感の全文は次の通り。

新年あけましておめでとうございます。
本年は、明治維新から、150年の節目の年です。
「高い志と熱意を持ち、より多くの人たちの心を動かすことができれば、どんなに弱い立場にある者でも、成し遂げることができる」
明治初期、わずか6歳で岩倉使節団に加わった津田梅子の言葉です。性別に関係なく個人の能力が生かされる米国社会に学び、帰国後、女子高等教育機関を立ち上げました。そして、その生涯を、日本人女性の可能性を開花させることにささげました。
150年前、明治日本の新たな国づくりは、植民地支配の波がアジアに押し寄せる、その大きな危機感とともにスタートしました。
国難とも呼ぶべき危機を克服するため、近代化を一気に推し進める。その原動力となったのは、一人ひとりの日本人です。これまでの身分制を廃し、全ての日本人を従来の制度や慣習から解き放つ。あらゆる日本人の力を結集することで、日本は独立を守り抜きました。
今また、日本は、「少子高齢化」という国難とも呼ぶべき危機に直面しています。
「人口が減少する日本は、もう成長できない」
6年前、日本には、未来への悲観論ばかりがあふれていました。
しかし、この5年間のアベノミクスによって、名目GDPは11%以上成長し過去最高を更新しました。生産年齢人口が390万人減る中でも、雇用は185万人増えました。いまや、女性の就業率は、25歳以上の全ての世代で、米国を上回っています。
有効求人倍率は、47全ての都道府県で1倍を超え、景気回復の温かい風は地方にも広がりつつあります。あの高度成長期にもなしえなかったことが、実現しています。
未来は、変えることができる。
女性も男性も、お年寄りも若者も、障害や難病のある方も、一度失敗を経験した人も、誰もが、その能力を最大限に発揮できる「1億総活躍」社会をつくり上げることができれば、日本は、まだまだ力強く成長できる。私は、そう確信しています。
未来は、私たちの手で、変えることができるのです。
全ては、私たち日本人の志と熱意にかかっている。150年前の先人たちと同じように、未来は変えられると信じ、行動を起こすことができるかどうかにかかっています。
子供たちの未来に大胆に投資する。子育てや介護の不安に向き合い、社会保障制度を「全世代型」へと大きく改革する。いくつになっても、誰にでも、学び直しとチャレンジの機会がある社会をつくる。
毅然とした外交を展開するとともに、いかなる事態にあっても国民の命と平和な暮らしを守り抜く。
未来を見据えた新たな国づくりに向かって、昨年、国民の皆さまから総選挙でお力を頂いて、大きな一歩を踏み出すことができました。本年は、「実行の一年」であります。昨年の総選挙でお約束した政策を一つひとつ実行に移してまいります。2020年、さらにその先を見据えながら、安倍内閣は、新たな国づくりに向けて、国民の皆さまと手を携え、改革を力強く進めていく決意です。
最後に、国民の皆さまの一層のご理解とご支援をお願い申し上げるとともに、本年が、皆さま一人ひとりにとって実り多き素晴らしい一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。
平成30年1月1日
内閣総理大臣 安倍晋三