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ランドクルーザーにハイエース 注目の車中泊スタイルを紹介!
●高まる「車中泊」のニーズ
最近、旅行やアウトドアが好きな人から大きな関心を集めているのが「車中泊」。そのため、キャンピングカーなど車中泊のできる車のニーズが高まっている。キャンピングカーの国内保有台数や総売上合計金額はここ10年、右肩上がりを続けている(一般社団法人日本RV協会調べ)。車での旅に特別な憧れやこだわりを持つ人が多いといわれる団塊の世代が一斉退職したことや、多発する自然災害への備えといったことも背景にありそうだ。
世界に目を向けると、サーファーなどの間で「バンライフ」と呼ばれる新たなムーブメントも起こっている。これは、中古で安く購入できるワンボックスカーやバンを、DIYでキャンピング仕様にカスタマイズし、気の向くままに旅をしながら生活するスタイルのこと。
シンプルでミニマル(必要十分)なライフスタイルは、インスタグラムなどSNSを通じて世界中に発信され、日本でも感度の高い趣味人にかっこいいものとして注目され始めている。
このようなトレンドを踏まえつつ、いまどきの「車中泊カスタム」や「車中泊スタイル」にフォーカスしてみた。
車中泊ならぬ“荷台泊”
車中泊ならぬ“荷台泊”ともいうべき斬新なスタイルが目を引くのは、カーファクトリー ターボー(青森県つがる市)が手掛けた「バグトラック」。ダイハツの軽トラック「ハイゼットジャンボ」の車高を上げて走破性を高める一方、荷台に専用のテントキット(27万6000円~)を装着してキャンプも楽しめる。
テントの素材は、トラックの荷台カバーに使用されるクラフテル帆布。サイドには夏場でも過ごしやすいようメッシュが張られた窓が設けられている。もちろんテントなのでキャンピングカーのような断熱性は望めないが、広い荷台を自由にレイアウトできる汎用性が魅力だ。テントキットはしっかりとしたフレーム構造となっており、荷物として認められる規格で設計されているため、装着したまま走行できるという。コンプリートカーでの販売も行っており、価格は仕様によって150万~200万円ほど。
レトロ&ワイルドなハイエース
スペース効率とつくりの良さで、キャンピングカーや車中泊カスタムのベースモデルとして不動の地位を築いているトヨタ「ハイエース」。だが、本来は商用車であるため、ルックスは実直でやや遊び心にかける。
東北、関東、中部に多数の店舗をもつフレックス・ドリーム(東京都調布市)が手掛けたこの車両は、現行ハイエース(ワイドボディーのワゴン)のフロントマスクを丸目ライトに変えたほか、車高アップやオーバーフェンダー、オールテレーンタイヤ(全地形タイヤ)などを装備してレトロ感とワイルド感を演出している。
いまどきのおしゃれなキャンプスタイルにも違和感なくなじむ。内装は米国の伝統的なウール製品メーカー、ペンドルトン社とのコラボにより、ネイティブ柄の生地を使ったシートカバーを採用するなど、スタイリッシュに仕立てられている。
ランドクルーザーをカスタム
同じくフレックス・ドリームによるトヨタ「ランドクルーザー」のカスタムもお目見え。ベースは1997年まで製造されていた80系と呼ばれるものだが、フロントマスクはその一代前にあたる60系をモチーフにしたものに換装されている。古い車ならではのスタイルを、信頼性や快適性に優れる高年式(より新しい年次に開発・販売された型式)のモデルで楽しむという提案だ。
内装はこちらもペンドルトン社の生地が用いられ、古き良き米国の雰囲気を演出。荷室はベッドキットにより、大人2人が寝られるスペースが確保されている。フレックス・ドリームでは中古車をベースにこのようなカスタムを施した車両をコンプリートカーとしても販売している。
米国流モーターホーム
ジープ「グランドワゴニア」の専門店、バディオート(横浜市港北区)は、ダッジ・ラムバン(米クライスラー社がダッジブランドで生産していたフルサイズバン)をベースにした1994年式の「プレジャーウェイ・サスカ」というキャンピングカー(米国流に言えばモーターホーム)を出展した。
ただし、内装は木材を多用したログハウス風に改装され、2人でゆったりと過ごせる趣味的な空間へと生まれ変わっている。バディオートでは、若者にもバンライフを楽しんでもらうため、持ち込み車両への内装リノベーションのみでも引き受けているという。
実際、この車両のように全長6メートルに迫る巨大なアメリカンモーターホームは運用が難しく、日本の中古市場では安価に流通しているため、バンライフのベース車としては打ってつけだろう。ボイラーやシンク、冷蔵庫、電子レンジ、トイレなどフル装備した出展車の販売価格はなんと250万円とのことで、かなり魅力的だろう。
車中泊&キャンプ仕様のトヨタ「シエンタ」
トヨタグループのカー・アクセサリーメーカーであるモデリスタでは、車中泊&キャンプ仕様のトヨタ「シエンタ」を展示。バックドアに取り付けるタープやラゲッジテーブル、ラゲッジウッドデッキなど、オーソドックスなアイテムだが、車を活用した旅のスタイルが、一般の自動車ユーザーにも浸透してきたことがうかがえる。
最近、日本でも少しずつ見られるようになってきたルーフトップテント。写真は、米・カルフォルニアのアウトドアアドベンチャーカンパニー「テプイ」のもの。ほとんどの市販のルーフキャリア(ルーフの上に荷物を積載する道具)に装着できるため、さまざまな車種で快適な「車中泊(正確には車上だが)」が可能になる。
10分程度で簡単に展開でき、重量も3人用で約60㎏と軽量だ。またテントから地面までの空間を覆うホロを取り付けると、寝室プラスアルファのスペースを確保することもできる。写真はアウタナという3人用のモデルで、価格は34万8000円。