千葉市    「わくわく大茶会」 

千葉市

社員総出「わくわく大茶会」 全国300店で魅力啓発「リーフで攻める」 伊藤園

 

伊藤園は10月1日の「日本茶の日」に先駆け9月30日、同社のティーテイスター資格保有者を含めた社員約1千人が全国約300店の量販店店頭に立ち、日本茶の魅力を伝える「お茶をたのしむ わくわく大茶会」を開催。リーフやインスタント製品を試飲を展開した。

「日本茶の日」は、天正15年10月1日に豊臣秀吉が京都市にある北野天満宮で「大茶会」を開き、身分関係なくお茶を楽しみ、お茶を広めたことから同社が10月1日を「日本茶の日」として制定。2002年に日本記念日協会から認定された。

千葉市美浜区のイオン幕張新都心店グランドモールには伊藤園の本庄大介社長自ら法被を着て参加。当日は台風24号が接近していたが、イオン感謝デーとも重なり入り口は長蛇の列をなし、本庄社長も来場者に日本茶を振る舞いながらお茶の魅力を伝えた。

会場入り口では、急須で茶葉から入れたリーフの「お~いお茶緑茶」とインスタントの「お~いお茶さらさら抹茶入り緑茶」を試飲してもらい、好きな方にシールを貼る比較試飲を実施したが、茶葉から入れたお茶が圧倒。続いてPETボトルの緑茶、ほうじ茶、新緑、抹茶の飲み比べ総選挙ではほうじ茶と新緑に人気が集まった。

また、「日本茶のおいしいいれ方セミナー」では、お茶の基礎知識から湯の温度とおいしさの関係など専門的な事柄も説明。温度の高低によって茶葉から溶け出す成分(アミノ酸・旨み、カフェイン・苦み、カテキン・渋み)が異なるため、お茶は湯の温度で楽しみ方が変わるなどの専門的な説明に受講者は聞き入っていた。

「日本茶の手揉み体験」では、熱したホイロの上で茶葉を揉みながら、温度、揉み方、力加減を調製して針のように仕上げるまでの工程をていねいに解説。初めて茶葉に接する子供も多く、蒸しから葉ぶるい、回転、揉みきりまでの工程を、親子で賑やかに体験した。

なお会場内では、商品を千円以上の買うと急須不要のマイボトルをプレゼントするキャンペーンも行った。会場で本庄社長は次のように語った。

〈本庄社長の話〉

当社は、これまでややドリンクに頼り過ぎていた部分もあり、リーフを見直すため昨年からわくわく大茶会を開催している。当社はお茶屋だが、社員の中にはお茶屋に就職したと思っていない人もいる。改めてドリンクもリーフもお茶は伊藤園ということを社内的にも理解してほしい。海外展開でもリーフやティーバックに力を入れており、商品の種類を増やし、進出国も増えている。海外でもドリンクだけでなく紅茶を含めたお茶全般にかかわっていきたい。

昨年の夏は水出しで好調だったが、今年の夏はリーフの売り込みが足りなかったため、これからエンジンをかける。おいしいお茶をじっくり急須にいれて飲みたいというお客さまも多く、ここに啓発する。10月10日には阪急梅田にお茶の専門店を出店。今後もロケーションを考え、インバウンドのお客さまにも来店していただけるような場所を計画している。

ドリンク全般は5~6月はあまり芳しくなかったが、7~8月で盛り返した。5月に発売したPETボトルの「お~いお茶新緑」も好調だ。緑茶にはカフェインが入っており利尿作用があるため熱中症対策には向かないとの声もあり、残念ながら夏場は想定したほど伸びなかった。一方で麦茶が爆発的に売れ、月ごとに2ケタ増が続き、年間4千万ケース近くに達する勢いだ。10月以降はリーフとホットドリンクをしっかり売っていく。