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加曽利貝塚再発掘 千葉市教委、昨年に続く本格調査 縄文晩期の“謎”解明期待

昨年特別史跡に指定された加曽利貝塚(千葉市若葉区)で、市教委は、約3千年前の縄文時代晩期とみられる竪穴住居跡の発掘調査を始めた。45年ぶりだった昨年の本格調査に続く第2弾で、今回は調査範囲を拡大。昨年発掘しきれなかった住居跡や周囲などを詳しく調べる予定で、謎が多い縄文時代晩期の解明につながることが期待されている。

市埋蔵文化財調査センターによると、発掘するのは同貝塚の一部「南貝塚」の北東端約700平方メートル。昨年とほぼ同じ場所だが、今年は範囲を南側に約3メートル拡大して実施する。

昨年の調査で縄文時代晩期の竪穴住居跡や精巧な耳飾りなどを発見。住居跡は直径6~7メートルで、保存状態は良好だったという。今年は未調査部分で煮炊きや暖を取るために使った炉や出入り口などを確認し、同住居跡の全容解明を目指す。センターの担当者は「炉の周囲には遺物が多く残っている可能性があり、出入り口が分かれば当時の動線も分かる」と期待している。

また、これまでの調査で周囲に同時代の住居跡がある可能性が高まっている。調査範囲とともに、調査期間を昨年より約2カ月延ばすことで、縄文時代晩期の集落の構造や形成過程の解明も進める。遺跡が少ない縄文時代晩期は不明な点が多く、今回の発掘で日本古代史の謎の一つが解き明かされるか注目だ。

発掘作業は表土を除去して昨年調査時の状態に戻してから、今月下旬をめどに住居跡の本格的調査に着手する。調査は11月24日まで。

期間中は発掘実施日に担当職員が午後2時から15分程度の現地ガイドを行うほか、加曽利貝塚博物館ホームページで発掘情報を発信。今月18日以降の土曜日には発掘で出た土の「ふるいがけ体験」も行う。問い合わせは同博物館(電話)043(231)0129。