千葉市 千葉のアウトレット増床ラッシュ インバウンドで集客増
千葉県内の大型アウトレットモールで今秋、増床が相次いでいる。9月に三菱地所・サイモンの「酒々井プレミアム・アウトレット」(同県酒々井町)が第3期増設を行い、店舗数を213に拡大させたほか、今月26日には三井不動産の「三井アウトレットパーク木更津」(木更津市)で103店が新たにオープンする。県内にある成田空港や東京湾アクアラインでつながる羽田空港から自動車を使って訪れる訪日客の取り込みに成功しつつあり、道路網の整備を追い風にさらなる商圏の拡大を目指している。
23日に開かれた三井アウトレットパーク木更津の内覧会。施設内では招待客らが準備作業に当たるスタッフに商品や店舗の特徴を聞く光景が随所で見られた。
三井不動産によると、今回の増床では国内アウトレット初出店となるメルセデス・ベンツの常設店や海外の有名ブランドなど高級感のある店舗が数多く入店。買い物の合間に休憩できるスペースやカフェなども多く設け、滞在時間を長くする工夫を施した。
木更津市周辺は東京湾アクアラインで接続する対岸の羽田空港に加え、今年6月の東京外かく環状道路(外環道)県内区間の開通などで道路交通網の整備が進んでおり、同社の坂ノ下忍アウトレット部長は「関東の主要都市から半日でいけるアウトレットとして訪日客の集客増を図りたい。現在同施設の売上高に占める訪日客の割合は5%ほどだが、今回の増床で10%を目指したい」と意気込む。
平成24年4月の第1期オープン、26年7月の第2期改装に続く今回の増床で店舗数は国内のアウトレットで最大の308に拡大。29年度の売上高は前年度比26億円増の457億円で、今回の拡張により売上高を550億円まで拡大させることを目指している。
同社は、同じく県内にあり、27年7月に第3期棟を増築した三井アウトレットパーク幕張(千葉市)と合わせ、首都圏の集客増を図っていく考えだ。
三菱地所・サイモンが9月に第3期増設を行った酒々井プレミアム・アウトレットも成田空港から東関東自動車道を使って車で約10分の好立地にあり、同空港を利用する訪日客の集客に力を入れる。施設内には免税手続きを行う免税カウンターや外貨両替所もあり、今回の増設で店舗数は同社が国内で運営するアウトレット中最大規模の213になった。
ちばぎん総合研究所調査部の下出直樹副部長は「県内のアウトレットモールは買い物だけでなく、レジャーも楽しめるスポットとして国内外で人気が高まっており、訪日客や首都圏の客をうまく取り込んでいる」と分析している。