千葉市   宗公美と佐野紘一が初優勝

千葉市   <毎日テニス>一般本戦、宗公美と佐野紘一が初優勝

第97回毎日テニス選手権(毎日新聞社主催)は11日、千葉市のフクダ電子ヒルスコートで一般本戦のシングルス決勝が行われ、女子は第1シードの宗公美(くみ)=東京都TA=が第2シードの宮本愛弓(ローズヒルTC)を2-6、6-0、7-5で降し、初優勝した。男子は第5シードの佐野紘一(伊予銀行)が第4シードの喜多元明(リコー)を3-6、6-3、6-4で逆転し初優勝を飾った。

ダブルスの決勝も行われ、男子は佐野が笹井正樹(SYSTC)と組んで初制覇。シングルスと合わせて2冠を達成した。女子はフリアント エイミ(J・STAP)・力石優衣(フジトミ)組が制した。

◇宗「プロになる決意固まった」

粘り強く戦い抜いた。宗はバックハンドの強打を決めると、右拳を握りしめて初優勝の喜びをかみしめた。「最後の最後まで勝てるとは思わなかった。今日が一番苦しかった」と頂点までの道のりを振り返った。

サーブが不安定で、第1セット第1ゲームから互いのサービスゲームをブレークし合う我慢の勝負となった。そして迎えた第3セット。3ゲームを続けて落とし、5-5と並ばれた。この間、チャンピオンシップポイントも3度あったが、奪いきれなかった。だが、19歳は踏みとどまる。まずは「リターンに集中」することを心掛け、得意のバックハンドで息を吹き返し、勝利へとつなげた。

東京都出身。5歳から双子の妹の理美とテニスを始め、今は国内の試合を転戦する。昨年引退した伊達公子さんのように、世界で戦うことが目標だ。年内にプロ登録する予定で、「優勝は自信になった。これでプロになる決意が固まった」と笑顔をのぞかせた。【田原和宏】

◇佐野、頭脳的プレーで

今年度限りで引退するという佐野は「これまでは準優勝が最高だった。優勝できてうれしい」と声を弾ませた。フォアハンドから低い軌道を描くスライスを多用。ボールが跳ねにくい砂入りの人工芝のコートでは、相手の強打を防ぐ点で有効だった。「相手の嫌がるプレーが持ち味」と言う29歳の佐野は随所で頭脳的なプレーを見せて相手をかき乱し、接戦をものにした。