千葉市 「まくはリンピック」幕張の将来像は? 地元企業の若手ら提案
幕張新都心に拠点を置く企業4社と千葉市の若手社員・職員が異業種交流しながら将来の街づくりについて考える「まくはリンピック」の最終成果発表会が、同市美浜区で開かれた。2020年東京五輪・パラリンピックの開催都市として、大会のレガシー(遺産)をその後の街づくりにどう生かしていくかについて、八つの混成チームが2カ月半にわたって練り上げた構想を提案した。
「まくはリンピック」は、異業種交流で視野を広げオープンイノベーションにつなげようと16年にスタートし、今年で3年目の取り組み。イオン、日本IBM、富士通、NTT東日本千葉事業部、千葉市の5団体から男女40人が参加した。8月から2カ月半にわたる3回の合同研修では、業種や職種が異なる若手同士がそれぞれの視点を生かして幕張新都心の課題を共有しながら、活発に意見交換し目指すべき姿を模索した。
最終日のプレゼンテーションによる審査の結果、AR(拡張現実)やAI(人工知能)、ロボットといったテクノロジーで高齢者や障害者の暮らしを支える「誰もが暮らしやすい多様化社会のモデル都市」を提案したチームが1位に選ばれた。優勝チームには後日、熊谷俊人千葉市長に直接提案する機会が設けられる予定。
優勝を逃したほかのチームからも街の課題解決につながる多彩なアイデアが出された。2位のチームは、幕張メッセでのオリ・パラやイベント開催時に災害が起きた場合に備え、来場者の安全な避難をサポートする「防災プラットフォーム」を発案した。
日本IBMから参加した入社4年目の丹羽尚輝さん(25)は「所属組織が異なる同世代と交流することで、新しい視点を学ぶことができた。市の課題を知り、テクノロジーを活用した解決策に結び付けることができた」と手応えを語った。